Der geliebte Mensch auf der Welt ２ (ページ35)

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思えばあの日から俺とA先輩が話してると、A先輩が気づかへん絶妙なタイミングで妨害してくる。

A先輩と同じ特進科で、幼馴染みの紗奈先輩と茉耶先輩。

中でも特に、紗奈先輩は手強い…。

(回想)

紗奈「Aはあげへんで？」

「……は？」

Aさんに紗奈って呼ばれた女子が、キッと俺を睨みつける。

え、怖っ。

『ちょっと、紗奈？何言って、』

紗奈「Aは黙っとって」

『むぅ、…なんで？』

紗奈「ーーっ…」

『紗奈…？』

そう言われたAさんが、ムスッとした顔をすれば怯んで、その後名前を呼びながらコテンとAさんが首を傾げると慌てて顔を背けた。

わかる。

今のAさんめっちゃ可愛いかった。

他の女子とかがやると、うっとおしく思うけど…Aさんがやると許せる…仕草が計算じゃないもん。

ってか、紗奈って人Aさんから見えやんようにこっち向いてるけど…そのデレっとした顔、俺に丸見えやで？

山野「哲人！大丈夫か…？」

「…ん。」

山野「良かった～。怪我したらどうしよかと思ったし。あっ、落ちて来たんってこの子……ちょ、は？ええぇ…！？紗奈先輩とA先輩！？！？」

橋本「山野うっさい……おっ、ホンマや」

階段を降りてきた山野が心配そうに問うのに頷けば、俺の方に近づいてきて肩やら腕やらをペタペタ触ってくる。

なんとなくイラッとするけど我慢、我慢。

怪我がない事を確認して安心したのか、俺の目の前にいる(正しくは紗奈って人の後ろに隠された)Aさんを振り返った山野が、驚いて声を上げる。

山野「は、はじめまして！」

『…？…初めまして？』

山野「…ちょっ、A先輩声も可愛いい♡」

『…？』

山野「あのっ自分、山野っていいます！A先輩のファンクラブ会員っす！」

橋本「おーい山野、声に出てもうてるで？(笑)」

山野「アホ、声に出してるねん♡」

『…ふふっ……君、おもしろいね』

山野・橋本「「(…キュン♡)」」

ヤバい…Aさん笑ったらもっと可愛い。

笑った顔見たらドキドキして、また胸がキュッと苦しい。

たぶん、

初めて会ったあの日から、

俺、Aさんが好きや。

でも、この想いは叶うはずない。

だって、〝Aさん〟と〝A先輩〟が同一人物なら、

岡田さんが彼氏やん。

ふと、誰かが言うてた言葉を思い出す…

初恋は実らへんって。