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『…甘いね』
生クリームが甘いのか、Aの唇が甘いのか……そんなん決まってるやん。
「めっちゃ甘い……なぁ、こんなん披露宴でやってるよな？ケーキ食べさせ合うやつ。なんて言うたっけ…」
『…ファーストバイト？』
「そうそれ！楽しそうやない？」
『ふふ、…私達もする？』
「…ええなぁ」
『楽しそうだよね…(笑)』
「終わったら、つばくろうに顔面ケーキしよか？(笑)」
『ダーメ。意地悪したらつばくろうさん可哀想だよ』
「いや、アイツなら倍返ししてきそうやわ(笑)」
『ふふ、哲人楽しそう。仲良しだね』
「えー、畜ペンと仲良し？…ちゃうよ、あっちが絡んでくるねん」
まぁ良い奴やねんけど、毎回無茶振りやし…(笑)
とりあえず、ファーストバイトっていうのは候補やな。
ウエディングドレス着たAとか絶対可愛いやん
俺の理性は大丈夫か…？
『あーあ、つばみちゃんに会いたいなぁ…』
俺と付き合ってから初めて招待した神宮での試合で、大好きなつばみに会ったAはそれはもう、可愛すぎる笑顔でつばみに抱きついた。
そんな可愛いAを抱き締め返したつばみに “やまだくん、はやくしゃしんとってー″ なんて言われてシャッターを押した俺、めっちゃ優しいわ。
まぁAが嬉しそうやったしな。
…もちろん写真はPCにデータを落としたけど。
で、それ以降コツコツとグッズを集めるほど、つばみが大好きなA。
「開幕したら会えるから待っててな？」
『ふふ、うん！』
ニコニコと笑うA。
可愛い。
愛しい。
愛おしい。
「なぁ、A…こっち来て？」
『…うん？』
自分の膝をポンポンって叩いてAを呼べば、最初は恥ずかしがってたけど、今やもう慣れたAは大人しく俺の膝に跨って座った。
ジャージのポケットから小さな箱を取り出して、Aの頭の後ろに手を回して引き寄せる。
髪を上げていたAの露になった首元に沿うシルバーの輝き。
小さい金具がカチッとはまる音を合図に、柔らかいAの唇に自分の唇を重ねた。
嬉しくて笑うAが好きで、
楽しくて笑うAが好きで、
初めて会った時から変わらないこの気持ち。
「A、誕生日おめでとう」
これからもずっと愛してる。
《特別な日》ｆｉｎ
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作者名：しめじ。 | 作成日時：2020年3月23日 23時
