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A視点
次に目が覚めた時には誰かの膝の上だった。
ゆっくり起き上がると、ザクロさんに声をかけられた。
「あ、起きたみたいですね。大丈夫ですか？熱はないみたいですけど」
『大丈夫です。だいぶ楽になりました。』
「…今日はもう帰りますか？体調が悪いならそっちのほうが…」
『いえ！せっかくのお祭りなのでもう少し見ていきたいです！』
「…まぁ、無理しないっていうならいいですけど」
『絶対しないから、お願いします』
「わかりました。なにかあったら絶対言ってくださいね」
『はい、把握です』
ザクロさんは優しい人だな。
そう思っていると、ザクロさんが数時間前と同じように手が差し伸べられる。
私も同じように手を取り、握りしめた。
私が休んでいる間に空は青空から星空に変わっていた。
昼間はなかった光も夜になったらぽつぽつと出てきた。
昼間と違う景色が私を楽しませてくれる。
『昼間と違った景色でいいですね』
「そうっすね」
『そうっすかｗ』
「あ、そうっすねｗ」
夜になると人混みも増えるもので、かなり人とぶつかるようになる。
そんな時でも、ザクロさんはなるべく人が少ないところを通り、
接触をさけてくれた。
途中、幹部たちとすれ違うこともあったが、
こちらに全く気付く様子はなく、それぞれ祭りを楽しんでいた。
きょろきょろと周りを見ていると、いつの間にか高台まで来ていた。
『ザクロさん、なんで高台に？』
「あ、そろそろ始まりますよ」
『え、始まるって何が…』
その時、突如としてﾄﾞｫﾝと大きな音がした。
慌ててそちらの方へ見ると空に大きな花が咲いていた。
『花火…ですね』
「今年からやることになったそうですよ。」
『じゃあ、この花火が良く見えるようにここまで連れてきてくれたんですか？』
「はい。よく見えるでしょ？」
『はい、目移りしちゃいますね』
手すりにもたれかかり、
夜空に映える花火を見つめる。
どこまでも高く、大きく、自分の場所を知らせるように。
チラッとザクロさんの方を見ると、
煙草を吸いながら花火を見ていた。
ザクロさんってよく見たらかなりの美男だな…と思いながら、
視線を送っているとこちらに気づいたのか私の方へと視線をあわした。
「煙草…苦手ですか？」
『いえ、好きですよ。吸わないですがね』
「よかった」
そう言いながら煙草を吸い続けている。
見つめていると再度こちらを見て、
「A。もしよかったら来年も一緒にまわりませんか？」
『…私でよければぜひ』
私は花火の下で約束を交わした。
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スムージー557 - あっ！そうなんですか？！最後まで楽しんで読みます！ (2020年5月14日 8時) (
レス) id: c58783f9b7 (このIDを非表示/違反報告)
いちごもち(プロフ) - スムージー557さん» ありがとうございます！そう言っていただき、誠に嬉しいです。この作品は完結してるので、よければ最後まで見ていただけると嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年5月10日 23時) (レス) id: d18159012f (このIDを非表示/違反報告)
スムージー557 - 面白かったです！これくらいしか私には言えませんが、更新頑張ってください！ (2020年5月9日 20時) (レス) id: c58783f9b7 (このIDを非表示/違反報告)
いちごもち(プロフ) - めぅみ。さん» ありがとうございます！私的にはご指摘は大歓迎なので、よければこれからもおかしな部分がありましたら、よろしくお願いします！ (2020年4月12日 15時) (レス) id: 974c74a7f8 (このIDを非表示/違反報告)
めぅみ。 - 良かった〜！こういうのは指摘したら怒ったりする作者さんってたまにいるんですよね〜…。やっぱりいい作品を書く人は心が優しいんですね！これからも陰ながら応援してますね！ (2020年4月12日 15時) (レス) id: ac2c3b7cbc (このIDを非表示/違反報告)
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