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ー探偵社ー




全てを一気に話すのも聞くのも大変なので、敦の話は、一旦打ち切ることとなった。社員達は仕事もあるため、再開する。Aは念のため、医務室で休憩がてら、昼寝をすることになった。




「…」

「眠れないのかい?」




Aは何度も寝返りを打っていた。その音を聞いていた与謝野が声をかける。




「何だか、目が冴えちゃって…」

「いろいろあったからねェ。急に眠れというのも、無理な話さ」

「あの、与謝野さ…姉さん、起きてたんだ」

「うん。…あの、敦。まだ話したいの」




敦は無言でベッドの横にある椅子に座る。




「与謝野さん、すみませんが…」

「分かってるよ。何かあったら、すぐ呼ぶんだよ」




与謝野は微笑み、医務室から出ていく。敦が席を外してほしいというのを分かっていたのだ。まあ、言わなくとも、彼女のことなら出ていっていただろう。




「…私を襲った…理由は何?」

「襲うつもりはなかったんだ!!」

「じゃ、じゃあ、どうして…」




敦は唇を噛み締め、俯く。何を言われるか分からない。怖がられたり、拒絶されることが怖い。しかし…




「(ここで話さなきゃ、ダメだ)僕は…自分が虎だということを最近知ったんだ。院を出るずっと前から変身していたんだけど…」

「どういうこと?」

「異能力って、絶対制御できるわけじゃないんだ。そもそも、自分が異能力者と気づかない人もいる。…どちらも、僕に当てはまるんだ」




情けないことにね、と付け足す。その声は、とても暗い。




「僕のせいで姉さんが死にかけたというのも、探偵社に入ってから分かったんだ。自分が虎だと知って、姉さんの傷を見た時、僕がやったんだ、って…」

「…そうだったんだ」

「でも、僕は全く覚えてないんだ。だから、どんな風に姉さんを襲ったのかとか、その時の状況がわからない。から、それは、姉さんが思い出さないと分からないんだ」




そうなんだ、とAは小さく答えた。自分の記憶が戻らない限り、どうして襲われたのか、どう襲われたのかが分からない。が、自分は、敦に故意に殺されかけたわけじゃないことが分かった。




「…ごめんね、敦。私、ずっと疑ってて…」

「え、信じてくれるの?」

「その顔は、嘘ついてる顔じゃない。何となく、わかるの」

「ありがとう、姉さん…。…そうだ、傷…。姉さん!傷見せて!その、少しでいいから!」




敦は、Aの服を少しだけ下にずらした。

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ナオミ←本名ですわ - 記憶喪失のお姉様をお持ちの敦さんは嘸辛かったでしょうね・・・でも!また仲良くなってよかったですわ! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 505b3d50a2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白かったです♪ (2018年4月16日 16時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - ゼロさん» あ、本当です…。今直しました!ご指摘感謝します! (2018年4月2日 9時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - 11ページの太宰さんの台詞何ですけど妹ではなく姉じゃないですか? (2018年4月1日 23時) (レス) id: 8a8cf15df7 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとう!僕的にはポートマフィアに頑張ってほしいなぁ姐さんかわいそう。。。 (2018年2月16日 15時) (レス) id: 630a444802 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:arena | 作者ホームページ:nothing  
作成日時:2018年2月3日 21時

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