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「痛い!!」




二人の目覚めはいつも最悪だった。髪の毛を引っ張られて目覚める。特に、この頃のAは髪が長いので引っ張られやすい。




「さっさと起きな!このグズ共!」

「グズじゃないもん…」




起こされる時間は朝の五時。幼い子供が起きるには過酷だった。敦は涙を流しながら体を起こす。Aは敦に大丈夫だよと頭を撫でた途端、頬に痛みが走った。




「助け合いかい!?馬鹿にも程があるよ!!」

「お姉ちゃん!」




頬を殴られ、吹っ飛んだ。昨日殴られた場所を殴られたため、痛みが倍。しかし、Aは泣かずに立ち上がる。




「敦、行こう。朝ごはん食べて、掃除しなきゃ」

「…うん」




二人は手を繋いで食堂へ向かう。










「「いただきます」」




食事は至ってシンプル。白ご飯に味噌汁。漬物だけだ。良くて焼き魚がつく程度。Aはもりもりも食べるが、敦の手は進まない。




「…どうしたの?お腹痛い?」

「ううん。ただ…」

「文句はダメ。聞こえちゃう。ほら、食べよ」

「…うん」




冷えきった朝ごはんを食べ終わると、バケツと古い雑巾が渡される。指定の場所に行くと、明らかに幼い二人が一日で終えれる量ではなかった。




「家具や廊下を拭く、本の片付け…」

「終わったら、お皿を洗って、拭いて、棚にしまう。…全員分だって…。お姉ちゃん、二人でできるかな?終わらなかったら、焼かれちゃう…」

「焼かれる?」




敦は目に涙を浮かべ、Aの服の裾を握る。




「院長先生のお部屋から、男の子の叫ぶ声が聞こえたの。出てきたら、腕とか真っ赤だったの…!火傷みたいだったの…!!」

「…折檻…のことだね。他の先生が言ってた」




折檻。それは、熱した火掻き棒を皮膚に直接当てられることだ。骨が痛み、皮膚も痛む。数日すれば、皮膚や服が擦れ、激痛になる。最も酷な罰だ。





「…大丈夫。ほら、心配する前にやっちゃおー!」

「お、おー!」




拳を上げ、二人で掃除を始める。まずは家具の埃を拭き取る。その後、ほかの孤児が散らかした本の片付け、高いところにしまうものは、何とかよじ登ってしまった。




「敦、その本取って」

「うん。お姉ちゃん、落ちないでね」

「大丈夫大丈夫。これしまったら終わ…きゃっ!?」

「お姉ちゃん!」




足を滑らし、落ちる。手が花瓶に引っかかり、そのまま割れた。大きな音が響き、先生が駆け込んでくる。罰、決定の瞬間だった。

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ナオミ←本名ですわ - 記憶喪失のお姉様をお持ちの敦さんは嘸辛かったでしょうね・・・でも!また仲良くなってよかったですわ! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 505b3d50a2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白かったです♪ (2018年4月16日 16時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - ゼロさん» あ、本当です…。今直しました!ご指摘感謝します! (2018年4月2日 9時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - 11ページの太宰さんの台詞何ですけど妹ではなく姉じゃないですか? (2018年4月1日 23時) (レス) id: 8a8cf15df7 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとう!僕的にはポートマフィアに頑張ってほしいなぁ姐さんかわいそう。。。 (2018年2月16日 15時) (レス) id: 630a444802 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:arena | 作者ホームページ:nothing  
作成日時:2018年2月3日 21時

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