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最終話 ページ14

「待ってください!」




一触即発のモードの六人の間にAは立つ。




「戦うつもりですか…?それなら、やめてください!」

「退いて、姉さん。そいつらは、姉さんを騙した奴らなんだよ!?」

「それでも、私を助けてくれた人達なの!」




Aは中也達に近寄る。尾崎と目が合い、頭を下げた。尾崎は驚き目を見開く。




「…すみません。私、紅葉さんのお話を全く聞かなくて…」

「良いのじゃよ。それが、そなたにとっての最善な事じゃ」

「……私を助けてくれて、とても感謝しています」




Aは顔を上げ、精一杯笑う。屈託のない、心の底からの笑顔。中也や芥川も、少し心が落ち着くような。尾崎は、微笑んでAの言葉を待つ。




「記憶は、まだ完全に戻っていません。でも、敦は私の大切な弟だということは思い出しました。だから……私は、そちらに戻ることはできません」

「…そうじゃろうなあ」

「でも、皆さんを敵にしたくない。……我儘だと承知で頼みます。これからも……仲良くしてください」




敦達は驚くも、何も抗議はしない。尾崎は微笑んだまま何も言わず、中也と芥川を連れてその場を去っていった。









あれから数ヶ月。Aはすっかり探偵社に馴染んだものの、マフィアである尾崎や中也とは連絡が取れないままだった。




「もう、会えないのかな」

「…姉さんが会いたいって望むなら、いつか会えると思うけどな」

「Aちゃん、荷物が届いているよ。姐さんから」




太宰はAに荷物を渡す。両手で持たないと落としてしまう大きさだ。Aは敦の机を借りて箱を開ける。




「可愛い…!」




入っていたのは洋服やアクセサリーだ。尾崎がAのために買ったものである。そして、手紙が一通、入っていた。それは、


『次に連絡する時は、私は争いをせず、そなたと話したいのう』


そう書いてあった。つまり、二人きりで会いたいのであろう。




「…姉さんが信じてる人なら、いいよ。でも、僕の敵であることは間違いないからね!」

「わかってるよ」

「じゃあ、行こう。姉さんの記憶を取り戻しに」




二人は手を取って外に出る。思い出の場所を巡るのだ。いつか記憶を取り戻し、何もかもが話せる、その時まで。二人は歩み続ける。どの兄弟にも真似出来ないような、強い絆で結ばれたまま_____。

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ナオミ←本名ですわ - 記憶喪失のお姉様をお持ちの敦さんは嘸辛かったでしょうね・・・でも!また仲良くなってよかったですわ! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 505b3d50a2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白かったです♪ (2018年4月16日 16時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - ゼロさん» あ、本当です…。今直しました!ご指摘感謝します! (2018年4月2日 9時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - 11ページの太宰さんの台詞何ですけど妹ではなく姉じゃないですか? (2018年4月1日 23時) (レス) id: 8a8cf15df7 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとう!僕的にはポートマフィアに頑張ってほしいなぁ姐さんかわいそう。。。 (2018年2月16日 15時) (レス) id: 630a444802 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:arena | 作者ホームページ:nothing  
作成日時:2018年2月3日 21時

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