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「国木田さん！」
「何だ、谷崎」
「電話がきています。取引会社の社長さんからですが…」
「すぐ行く。小娘、しっかりと休め」
国木田はそう告げて医務室を出ていく。
「与謝野さーん」
「何だい？乱歩さん」
「駄菓子買ってきてほしいんだけどー」
「一緒に行くならいいよ」
「えー！！……行く」
「じゃあ、A。すぐ帰るから、休んでるんだよ」
与謝野はまだ少し駄々をこねている乱歩の腕を引いて医務室を出ていく。母子のようで、Aは少し笑った。
「さて、私は心中相手を探しに行こうかな〜？」
「また川ですか…」
「心中…？川…！？」
「姉さん、気にしないで…」
「じゃあねぇ〜」
太宰はひらひらと手を振り、鼻歌を歌いながら出ていった。医務室には、Aと敦だけだ。
「敦。私ね、少しだけ思い出したの」
「な、何を！？」
「虎に襲われた時のこと。…畑にいた、と思う。先生や子供はみんな隠れていたの。それで……。私だけ、畑にいたの」
「逃げ遅れた…？」
「いや、そうじゃないと思う。多分、自分の意思でそこにいたの。……ごめん、やっぱり、分からない」
へこむAに、敦はそんなことないと言う。思い出したことは嬉しいものの、辛いことだけだ。敦は少し、心の中で落胆した。しかし、何も思い出さないよりはマシだ。
「辛いことだけ思い出させちゃったね…。次は、楽しかったことを思い出せたらいいんだけど…」
「やっぱり、話を聞かせて。眠れないし、たくさん聞きたいの」
「と言っても、かなり話したよ。あと…何かあったかなぁ…」
「えっと…じゃあ、髪のことは？」
Aは自分の頭と、敦の頭を指差した。前髪は斜めカット。敦は右側が長く、Aは左側が長い。周りから見れば、これは奇抜ヘアーなため、少し気になっていたようだ。
「これはね姉さんが僕に合わせて切ってくれたんだよ」
「これ、私自身が切ったんだ」
「孤児院にいた時、小さい子が悪戯で僕の髪を切ったんだ。それを見た姉さんは、じゃあ私も！って言って、僕に合わせたんだよ。綺麗で長い髪だったけど…」
敦が苦笑すると、Aは少し考えて、微笑む。
「じゃあ、また伸ばそうかな」
「それがいいよ！姉さんはどんな髪型も似合うけど、僕は長い方が好きだからね」
二人は笑い合う。しかし、そんな穏和な時間は長続きしないもの。Aを取り戻すため、幹部二人は既に行動を開始していた。
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ナオミ←本名ですわ - 記憶喪失のお姉様をお持ちの敦さんは嘸辛かったでしょうね・・・でも！また仲良くなってよかったですわ！ (2018年5月23日 22時) (
レス) id: 505b3d50a2 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 面白かったです♪ (2018年4月16日 16時) (レス) id: da69d52ea0 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - ゼロさん» あ、本当です…。今直しました！ご指摘感謝します！ (2018年4月2日 9時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - 11ページの太宰さんの台詞何ですけど妹ではなく姉じゃないですか？ (2018年4月1日 23時) (レス) id: 8a8cf15df7 (このIDを非表示/違反報告)
蚊 - 続編おめでとう！僕的にはポートマフィアに頑張ってほしいなぁ姐さんかわいそう。。。 (2018年2月16日 15時) (レス) id: 630a444802 (このIDを非表示/違反報告)
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