【文スト】帰宅したら推しがご飯食べてた

episode.7 ページ7

授業が進み、四時間目を迎え、そしてお弁当の時間になった



『嗚呼……お腹空いた……』



「だから私の分けてあげるってば」



『……大丈夫、それは桜子のだし、桜子が食べて』



「大丈夫じゃないでしょ。げっそりしてるけど」



『うう…………』




弁当を忘れたのは私だけの様で、みんな「頂きます」というと、机でお弁当箱を開け始めた



『嗚呼……餓死する……』



やっぱり桜子に分けて貰えば良かった……



その時、先生が教室にやってきた



「村中ー、家族の方がお弁当届けに来たぞー」



『え！？』



私はガタンと立ち上がった



お母さん……仕事忙しいはずなのに……



態々届けに……？



うぅ……良い親を持った……




「失礼します」



しかし、教室に入ってきたのは母とは真逆に、背が高く、声が低い成人男性であった



『どっ……！？！？』




「Aさん、お弁当届けに来ました」



『え、あ…………え？』




混乱しつつも、私はドス君のところまで歩いた



教室は驚くほど静まり返っている



箸が折れる音は聞こえた



「済みません。本当はもう少し早く届けに来る筈だったんですけど、途中で道に迷ってしまって……更には街の方々に足止めされてしまいました」



まぁそりゃこんなイケメンが街中歩いてたらおじちゃんおばちゃんは話しかけるわ



『あ、ありがとう……』




「はい。では僕はこれで、失礼しました」




ドス君は担任に頭を下げて教室を出て行った

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