【文スト】帰宅したら推しがご飯食べてた

episode.21 ページ22

『っあ！やばいやばい！最下位になっちゃう！』



私は更にスピードを上げた



こんなに速く走れたっけ



「っはぁ、Aさ……一寸、速……」



『ごめんなさいっ！！』



審査員のところに辿り着いた私はお題の紙をバッと見せた



審査員の人は一瞬ギョッとしていたが、空気が読めるドス君が息を上げながらも何処となく可愛い顔をしたのでOKされた




『良かった……あ、ドス君大丈夫！？』



ドス君は地面に膝を着いており、とても苦しそうだった





「けほっ……っは、はぁ…………大丈夫、です」



『ごめんねドス君、最下位だけは嫌で……』



「いえ、こちら済みません……こういう、激しい運動は、久しぶりで……っ」



全く大丈夫では無さそうだが



どうしようか、取り敢えずテントまで送り届けなきゃ……



「村中さん！一緒に来てもらえる？」



すると別のクラスの男子がお題の紙を持って此方へ来た



『え、あ、えっと』



そこでドス君が態とらしく咳き込んだ



『嗚呼ごめん！ドス君辛そうだから……』



「頼む！君じゃなきゃ駄目なんだ！」




どうして私なのか理解が出来ない



迷っていると先生が来て、「お兄さんの事は任せて！行ってきて良いよ！」と言った



「じゃあ行こう！村中さん」



と言って男子に手を引っ張られた



『あ、ちょっと』



私は慌てて歩き出した










舌打ちが聞こえたのは気の所為だろうか

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