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第四話 ページ4

彼がパッと顔を上げたせいで目が合った


信じられないというような顔で見られた



「……」


『……』


「……ん"ん」



彼は咳払いをして近くの店員さんを呼んだ


「すみません、珈琲を一つ」



通話した時の声に酷似している



というか同じだ



店員さんは「かしこまりました〜」とアニメ声で言ってテーブルから離れていった



「…………」


彼はもう一度私に目線を向けた後、スマホを手に取り、少し操作して耳に当てた



誰かに電話するのだろう



するとテーブルに置かれた私のスマホから軽やかな着信音が鳴った



画面には中也さんの名前が表示されている



目の前の人はそれを見るなり察したような顔をして、スマホをテーブルの上に置いた



そのスマホには、ネット上での私の名前である「アサミ」という名が表示されていた



『……』


「……」


『……あの』


私は恐る恐る声を掛けた


「……おう」


『中也さん……ですか?』



「……おう」


中也さんは全てを悟った顔で返事をした



『そう、ですか』



「……手前が、アサミか」



『……はい』



「そうか……」



これがネットで知り合った人とリアルで会った時の"気まずい"という状況か……




「……なァ」


『はい』


「お前、本名は?」



『え、あ……浅上A、です』



「俺は中原中也だ。まァ、改めてよろしくな」



中原……中也……?



『中也って名前本名なんですか!?』



「んだよ、そんな驚くか?」



『だって、中也って珍しい名前だし、てっきりネット上での名前だと……』



「まァそうだな。同じ名前の奴に会った事はねェな」


真逆の本名だった



中也なんていう珍しい名前の人が存在するのか……



世界は広いな……

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さよる(プロフ) - うらミさん» ありがとうございます!中也はだざむに取られそうになったときちゃんと慌ててそうだなって思いまして…… (2022年7月6日 17時) (レス) id: 47b1380100 (このIDを非表示/違反報告)
うらミ - うう……好きすぎました………ちゅやが焦りながらもちゃんと恋してるの可愛くて…………!!!これからも作品の更新頑張って下さい!! (2022年7月6日 17時) (レス) id: ca3ffcc902 (このIDを非表示/違反報告)
さよる(プロフ) - 村人Cさん» コメありがとうございます!本当はもうちょっと取り合いみたいにしたかったんですよぉぉぉぉ!! (2022年6月23日 17時) (レス) id: 47b1380100 (このIDを非表示/違反報告)
村人C - 太宰さんキューーピッドぢゃーーーーん←ハイテンション (2022年6月23日 7時) (レス) @page30 id: 20e5415ecf (このIDを非表示/違反報告)
さよる(プロフ) - 美菜海さん» コメントありがとうございます!ですよね!?愛してるって打つだけでもうしんどいんですよwキスとか絶対書けないwww (2022年6月22日 21時) (レス) id: 47b1380100 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さよる | 作成日時:2022年5月18日 17時

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