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第三十話 ページ30

『……え?』



「否、だから……抱き締めても、良いか?」



『あ、はい!どどどどうぞ』



「おう……あー」



中也さんはどうすればいいか分からない様で、あたふたしている




「ど、どうすりゃいい……?」



『どうって……普通にどうぞ?』



「普通って何だよ……」



中也さんは戸惑いつつも、私を抱き寄せる



「……こうか」



『はい』



「…………あったかェ」



『ですね……』



「……太宰にもされたか?」



『?いえ、何も』



「そうか」



中也さんは安心した様な声を出す




そして体が離された




「悪ぃな。ダチと飯行く約束してたんだよな」




『いえいえ!大丈夫ですよ。いつでも行けるので』




「そうか。あ、代わりと言っちゃあれだけどよ、今から飯行かね?俺奢るぞ」




『本当ですか!じゃあ折角なので……』




「おっし!決まりな。行くぞ」




中也さんは私の手を引いて歩き出した





その日は夕日が綺麗だった








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




一か月後




〔って感じだったよね!覚えてる?〕



〔覚えてるに決まってんだろ。ったく……あん時マジで焦ってたからな〕




私は中也さんと電話をしていた




〔あはは!でも私も一寸焦ってたかなぁ。彼女いるって聞いた時、本当ショックでさ〕



〔全部はあの糞鯖が悪ぃんだよ〕




〔でも太宰さんがいなかったら今もまだ只のネッ友だったかもよ?〕



〔……そうだな。其処だけは感謝してやるか〕




〔そうだね。あ、じゃあ私そろそろ講義始まるから……〕




〔嗚呼、あ、A〕



〔はーい?〕




中也さんは少し間を空けて



〔愛してる〕



とだけ言い、電話を切った





『はぁ……いっつも「私も」って言う前に切っちゃうんだから……』






私はスマホを鞄に仕舞い込んだ

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さよる(プロフ) - うらミさん» ありがとうございます!中也はだざむに取られそうになったときちゃんと慌ててそうだなって思いまして…… (2022年7月6日 17時) (レス) id: 47b1380100 (このIDを非表示/違反報告)
うらミ - うう……好きすぎました………ちゅやが焦りながらもちゃんと恋してるの可愛くて…………!!!これからも作品の更新頑張って下さい!! (2022年7月6日 17時) (レス) id: ca3ffcc902 (このIDを非表示/違反報告)
さよる(プロフ) - 村人Cさん» コメありがとうございます!本当はもうちょっと取り合いみたいにしたかったんですよぉぉぉぉ!! (2022年6月23日 17時) (レス) id: 47b1380100 (このIDを非表示/違反報告)
村人C - 太宰さんキューーピッドぢゃーーーーん←ハイテンション (2022年6月23日 7時) (レス) @page30 id: 20e5415ecf (このIDを非表示/違反報告)
さよる(プロフ) - 美菜海さん» コメントありがとうございます!ですよね!?愛してるって打つだけでもうしんどいんですよwキスとか絶対書けないwww (2022年6月22日 21時) (レス) id: 47b1380100 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さよる | 作成日時:2022年5月18日 17時

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