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胡蝶しのぶ -1 ページ15

***


結局、その後もA殿からの便りはなかった。
便りがないということは、彼女の身が無事であることのあかしだと思おうとしたが、
なんとなくもやもやとした澱が心の底で倦んでいた。
かといって、自分から用事もなく文を出すのも気が引ける。

晩夏。
上弦の鬼に関わる長期任務を終えたところで、偶然にもA殿の屋敷の方角での任務が入った。

また、下位の隊士が片付けられなかった鬼の始末だ。
最近、今一つ隊士全体の士気や格が下がっているように思う。
煉獄や悲鳴嶼さんも、弟子を取ってもすぐに逃げられてしまうと言っていたし、俺が稽古をつけたくだんの隊士どももとても呼吸を極めるべく精進している様子ではなかった。
やはり、不死川や煉獄のように、入隊するときからそれなりの信念を持っているものでなければ、長続きしないのかもな。
俺はそんなことを思った。
……最も、最終選抜を通過してさえいない自分に何が言えたことか、とも思うが。
いずれにしても、次の任務に備えて藤の家紋の家での支度は必須だ。
指示書には、「胡蝶しのぶと合流せよ」とあったし、くだんの屋敷で待ち合わせをすることに決め、胡蝶宛に鎹鴉を飛ばした。

芸者街で、娘ばかりが消えているのだという。
これまでも男女の隊士を、次第に階級を上げて3組送り込んだが、どれも便りが途絶えた。
いよいよまずいということで、柱を呼ぶに至ったということだ。
最後に潜り込んだ女性隊士の便りから、怪しいと思われる置屋は絞れていた。
胡蝶は適任だろう、柱やそれに次ぐような実力のある女性隊士は数人はいるが、甘露寺は目立ちすぎるし燃費が悪い、姉の胡蝶カナエは舞妓志望で芸者街に入るには年齢があわない。


***

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瑞姫(プロフ) - 今吐露2でリアルに泣いております、、思わずよくわからない報告コメント申し訳ないですめちゃくちゃ好きですこの作品 (2020年6月24日 23時) (レス) id: 445b4986a2 (このIDを非表示/違反報告)
pink0223xxx(プロフ) - はじめまして、更新お疲れ様です。素敵な言葉遣いや雰囲気が想像がしやすくてどんどん引き込まれていきました。泣いたり笑ったり楽しかったです。応援してます! (2020年6月3日 21時) (レス) id: 086d84223c (このIDを非表示/違反報告)
おんたま(プロフ) - はじめまして。更新お疲れさまです。完成度が高くすごく素敵な作品だと思います。無理のない範囲で更新頑張ってください。応援しています。 (2020年6月3日 2時) (レス) id: 8f0607afea (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - お返事できてないお三方、コメント返信できてなくてすみません、いつも更新遅くてすみません、読んでくれてありがとうございますloveです (2020年6月2日 19時) (レス) id: 100d291aa9 (このIDを非表示/違反報告)
madoka(プロフ) - 更新お疲れ様です!ずっと待ってました〜っ!!これからも頑張ってください。 (2020年5月24日 21時) (レス) id: f3e815359c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イトカワ | 作成日時:2020年4月19日 22時

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