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稀血について -2 ページ14

「なんでてめえが稀血についてなんざ調べてんだ?」

「調べているというほどではない。
 ただ少し、気になることがあっただけだ」

不死川はもう一度へぇ、と言うと、それ以上詮索はしてこない。
本当に興味がないのか、個人的事情には首を突っ込まないたちなのか、正直親しくもない相手なので判断はできかねるが。

「よォし、ここらで分かれるか」

「ああ。不死川、死ぬなよ」

「こっちのセリフだァ」

吐き捨てるように言って消えていく後ろ姿を見送ってから、俺は反対方向から本丸を目指して森へ分け入る。

……親子間、兄弟間では同時に現れないが、現れやすい血族がある、ということか。

……A殿とその祖父が鬼に襲われたのが、もし偶然でないとしたら?

……彼女の血が、鬼をおびき寄せているのだとしたら?

俺は、幾度となく巡った嫌な予感に再びさいなまれている。
思えば、あの女学校を襲った鬼は、最初から何かを探すようなしぐさをしていたのだ。
校舎の中には山ほどの学生がいたが、目もくれず突っ切って講堂へ向かった。
そのおかげで被害は最小限に食い止められたのだが、それが、鬼が彼女の血の匂いに誘われてうろついていたのだとしたら……。
稀血の女は、稀血の男よりも数段リスクが高い。
彼女たちは、月経中に自分の血の匂いを隠すことができないからだ。

「……もう一度訪ねて、祖父が襲われたときの状況を聞いてみる必要があるな」

俺は、上から襲いかかってくる鬼を両断しながらつぶやいた。


***

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瑞姫(プロフ) - 今吐露2でリアルに泣いております、、思わずよくわからない報告コメント申し訳ないですめちゃくちゃ好きですこの作品 (2020年6月24日 23時) (レス) id: 445b4986a2 (このIDを非表示/違反報告)
pink0223xxx(プロフ) - はじめまして、更新お疲れ様です。素敵な言葉遣いや雰囲気が想像がしやすくてどんどん引き込まれていきました。泣いたり笑ったり楽しかったです。応援してます! (2020年6月3日 21時) (レス) id: 086d84223c (このIDを非表示/違反報告)
おんたま(プロフ) - はじめまして。更新お疲れさまです。完成度が高くすごく素敵な作品だと思います。無理のない範囲で更新頑張ってください。応援しています。 (2020年6月3日 2時) (レス) id: 8f0607afea (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - お返事できてないお三方、コメント返信できてなくてすみません、いつも更新遅くてすみません、読んでくれてありがとうございますloveです (2020年6月2日 19時) (レス) id: 100d291aa9 (このIDを非表示/違反報告)
madoka(プロフ) - 更新お疲れ様です!ずっと待ってました〜っ!!これからも頑張ってください。 (2020年5月24日 21時) (レス) id: f3e815359c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イトカワ | 作成日時:2020年4月19日 22時

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