［完］黒死牟邸に居候してます (ページ31)

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太りました？ ② ページ31

言葉通り、それから黒死牟さんは引きこもった。おかげで私は毎夜黒死牟さんに遊んでもらえてハッピーだったが、日に日に黒死牟さんがしょんぼりしていくのは気がかりで、やはりお腹が空いているのかも？
そうこうしているうちに、翌月の血液の配給が来た。

ーーーべん！

『っぷお！！！』

迷路屋敷、池まで備えているのか？私は頭から池に突っ込まれ、むせながらギャン泣きした。

「A草。……いや、雑草クソ駄鬼。
お前は自分が何をやらかしているのか、自覚しているか？」

『寒い～～！何この池の水……』

「それは童磨の血鬼術を溶かした水だ。」

『最悪なんだが？飲んでしまったんだが……？』

「罰だ。お前、黒死牟に絶食させているな？」

ああ！それか！私はぽんと手を打つ。

『いや。あのですね、黒死牟さんがちょっと太ったものですから……。』

「鬼は太らぬ！馬鹿者が！殺すぞ！」

『急にヤンキーみたいになるのやめてほしい！』

「なぜ黒死牟がお前みたいなカスの言うことを聞いてしまったのかわからぬが、黒死牟には後ほど十分な量の私の血を与えることにする。お前のせいで、あの上弦の壱がへたってしまったなんてことになったら、マジでブチ転がすからな！」

あのお方は、そう怒鳴ると私に血液の入った瓶を投げ付け、「罰だ！鳴女、童磨の部屋へ飛ばせ！」

『ギャーーーッ！！！本当にごめんなさい、お願いします、それだけは！なんでもしますからあああ、』

ーーーべんっ

「ん？なんだい、黒死牟殿の弟子の子じゃないか。急に来たからびっくりしちゃったよ？遊びに来たのかい？いいね！」

『嫌だーーー！！！』

＊＊＊
あのお方も鬼ではないので(鬼なんですけどね)、A草が血を飲む前に童磨の部屋に飛ばしてくれたから、A草はなんとか童磨の中を泳がずにすんだよ。ぎりぎりの一線は守ってくれる理想の上司。やさしいね。