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15話 ページ15

翌朝、煉獄の家に戻ると、母がほとんど仁王立ちで待ち構えていた。

「杏寿郎。」

「母上!ただいま戻りました!」

「家には戻りましたか?
Aさんとお話しは?変わりありませんか?
いい加減、自宅へ戻りなさい。
父上には私から話しておきますから。」

「今朝方戻り、A殿にこれまでの振る舞いを謝罪して参りました!
明日か明後日には、自宅からここへ通い、甘露寺に稽古をつけるようにいたします!」

それならいいわ、とばかりに、母は着物の裾を返して奥へ戻る。
庭から、甘露寺の筋力鍛錬らしき声が聞こえてきた。

「甘露寺!
すまない、少し遅れた!」

「れっ、煉獄さん!とんでもありません!
毎日お稽古つけていただいて、恐縮ですっ!!」

甘露寺は、ここにくるようになってから声が大きくなってしまったようだ。
杏寿郎は訓練刀を取ると、さあ、稽古を始めよう!と自らを引き締めるように吠えた。

***

「は〜〜、今日もしっかりみていただけて、
感激です〜〜。」

千寿郎が差し出したお茶を受け取り、甘露寺がうっとりと呟く。

「そうだ!甘露寺、一つお願いがあるのだが!」

「な、なんでしょう!
甘露寺蜜璃、何なりとお受けいたします!
(師範からお願いなんてめずらしいわ、ドキドキしちゃう!)」

「実はな!俺には許婚があるのだが、ちょっとぎくしゃくしてしまってな!
こう、若い女子が喜ぶようなものを贈りたいのだが、知恵を借りたい!」

「いっ、許婚〜〜!!!?
(師範、いつのまに!どんな子なのかしら、気になるわ、きっと可愛い子だわ、あ〜んお会いしたい!)
ま、任せてください!!
それなら……、」

ごにょごにょ。

「む!なんと、それは名案!
さすが甘露寺だ!
例と言ってはなんだが、午後も全力で稽古にあたろう!
それから……、できれば、一度彼女に会ってほしい!
友達ができれば、塞ぐことも減るだろう!」

杏寿郎が言うと、蜜璃は再び、もちろん!と大きく頷いた。

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やも - 冨岡夢の作品を読んでこちらも拝見させてもらいました。やっぱり文章が綺麗に洗練されていてとても好きです!素敵な作品ありがとうございました。 (2020年5月7日 14時) (レス) id: be623916d5 (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - Rさんさん» コメントありがとうございます〜!変な文章どころかありがたい文章です…今のところ続きは書いてなうのですが、書くことがあればこの小説にリンクでも貼ろうかなと思ってます! (2020年4月15日 21時) (レス) id: 218c4f48c9 (このIDを非表示/違反報告)
Rさん - 完結おめでとうございます!コメントするの初めてなのですが変な文章になってないでしょうか?とても感動しました!続きなどあれば是非教えて下さい!素敵な時間ありがとうございました (2020年4月15日 14時) (レス) id: f96fb724ca (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - 炎さん» 一気読みできるテンポを狙って書いていたので、コメントうれしいです、励みになります!読んでいただいてありがとうございました! (2020年3月30日 15時) (レス) id: f96b77b227 (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - ss好きの923chanさん» ありがとうございますー!読んでいただけて嬉しいです。また思いつけば短編でも書こうかなとは思ってます! (2020年3月30日 15時) (レス) id: f96b77b227 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イトカワ | 作成日時:2020年3月27日 23時

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