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蛇足、会話からしか得られない栄養 ページ40

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暫くして、猗窩座と呼ばれていた入れ墨の鬼が、ぞろぞろと人型の鬼を引き連れて現れた。現れたかと思うと、彼らは蟻のような勤勉さでてきぱきと蔵の書物を外へ運び出していく。彼らがどこへ行くのかは知らないが、きっと無惨様の言う次の棲家なのだろう。
私はというと、鬼になりたてだからなのか、糸が切れたように動けなくなってしまい、敷物のように転がって、彼らの脚を眺めている。

「外に出さず、ただひたすらに書物を読ませる、ということですが」

口だけは動くので、私は傍らで蟻たちの働きを眺める無惨様に声をかけた。

「…なんだ、不満か?私に口答えでもするつもりか」

首を傾げて、無惨様は私を見下ろした。

「いえ、口答えではなく…、そのほかに命じることはないのですか。例えば、―――床の相手とか」

「…」

無惨様は、苦虫をかみつぶしたような顔になる。

「…貴様、口がきけるようになった途端、怖ろしく明け透けになったな」
「だって、口に出さずとも読めてしまうのではないですか」
「その通りだ。その通りだが、何でもかんでも口に出す必要は無いだろう」
「ご所望でないのであれば、口どころかおくびにも出しませんが…」

中途半端に、そのようなことを考えていると筒抜けになるほうが、いたたまれないと思ったのだ。はあ、と無惨様はため息をついた。

「ご所望でないとは言っておらぬ」

バラバラッ、と猗窩座が書物を取り落とす。

「では、よしなにお頼み申します」

「貴様、それはそうといつまで転がっている?いい加減動けるだろう」


***

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せいた(プロフ) - とても面白かったです!話せるようになった主人公が開き直る感じがすきですw続きが気になるますが完結どの事で残念ですが、お疲れ様でした! (2022年10月22日 2時) (レス) @page40 id: 4527c8b3f3 (このIDを非表示/違反報告)
イトカワ(プロフ) - みおさん» 嬉しいです〜読んでくださりありがとうございます!いつも終わりどころって迷いますよね… (2022年8月28日 0時) (レス) id: 02e548a085 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - お、終わりなんですか…?!この作品ほんとに大好きです!!まだ終わる予定は無いのでしたら(?)主様なりのペースで更新頑張ってください!!応援してます!! (2022年8月28日 0時) (レス) @page39 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イトカワ | 作成日時:2022年8月18日 2時

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