己の命を賭けて生きろ第4章【鬼滅の刃】 (ページ6)

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第佰弐拾伍話ページ6

翌日。仮眠を多めに取ってから、私は刀鍛冶の里まで来ていた。
それは何故か？
ミコに手製の耳飾りを作ろうと思ったからだった。私が常時身につけているホオズキを型どった耳飾りも、お師匠様お手製だった。

早めに作っておくに越したことはないと思い立ち、寝る間を本当に惜しんで隠の人にお願いして連れてきてもらっていた。
刀鍛冶の里へ来たのは3度目だった気がする。
1度目は柱になる前に下弦の陸を斬った後だ。

当時まだ大した実力も無かったので、大怪我こそ無かったものの戦闘によって、日輪刀は刃こぼれが酷くなってしまったのだ。
鋼鐵塚さんに怒鳴られながら刀を打ち直してもらった。
2度目は…15歳の時だっただろうか、あぁそうだ、上弦の肆と遭遇した後だ。

上弦の肆と遭遇する直前、私は8つの任務を一夜にこなしたのだが偶然にも厄介な血鬼術を持っていたり、下弦の鬼がいたりとかなり面倒だった。
お陰様で満身創痍、なんなら最後の任務で日輪刀が折れかけた。

それ故に上弦の肆の気配を感じ、私の視界に入った瞬間命の危険を感じて全力で逃げたのだ。
今度は鋼鐵塚さんに怒鳴られながら研ぎ澄まされた包丁を突きつけられたので手刀で気絶させた。

とまぁ物騒なことしか無かった気がする。
今回は日輪刀を折ることも何も無かったので鋼鐵塚さんに迫られることも無かった。
一応担当の刀鍛冶である鋼鐵塚さんの事前に鎹鴉で用件を伝えていたので、今は手先が器用な別の刀鍛冶の人を呼んでもらっている。

と、鬼殺隊員が使用することの出来る部屋で記憶を掘り起こしていればいきなり襖が勢い良く開いた。
…気を使うとか無いのかそうか。
「命柱の亜麻宮様ですか？」

襖の向こうからひょっとこを付けた顔が出てきた。
「はい、亜麻宮です。お名前を伺っても？」
そう言えば彼は私の部屋に入って正座をした。

「私は刀鍛冶の鉄穴森と申します。鋼鐵塚さんから私にと頼まれました」
鉄穴森さん、よし覚えた。
実は鉄を使って耳飾りを作りたい、と言えばふぅむと首を傾げられる。

「私の専門は何せ刀なので、いくら刀鍛冶の中で器用と言ってもお役にたてるかは分からないですね」
そりゃあそうだと私は頷く。
「報酬は弾ませるので、試しにでも教えていただけませんか？」

報酬、という言葉に彼の視線がこちらに向く。
「ほう、それはそれは」

交渉成立だ。