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第佰肆拾話 ページ21

命柱、亜麻宮鬼灯の死は上弦の弐討伐の知らせと共に鬼殺隊全体に直ぐに周知された。
彼女の死は大きな悲しみと、一筋の希望をもたらした。

鬼殺隊が百年以上斬ることのできなかった上弦の鬼、それも上から二番目の童磨という鬼をたった一人で斬った彼女の力と志に、多くの隊士達が奮い立ったのだ。
それは、柱も同様だった。

岩柱と同等の実力を持つと鬼殺隊では言われていた命柱だが、実際には彼を遥かに凌駕する力を持っていたことは、柱全員が知っていた。
その力は、始まりの剣士達に届くほどのものだったということを。

そんな彼女すら殺した上弦の弐の力は底知れないが、しかし自らも柱の誰かと共闘しさえすれば、上弦を殺すことができるかもしれない。
いや、自分達の代で終わらせるのだと9人の柱はより一層鍛錬に励み、今まではほとんどしてこなかった一般隊士への稽古も始めた。

また、亜麻宮鬼灯が遺言として胡蝶しのぶに伝えた言葉。それからは今まで実現できなかった鬼の滅殺に、彼女が本気で挑んでいたことが察せられ、柱達はその遺言を自らの心に刻み付けた。
彼女の死が、次への足掛かりとなるように。


____彼女の死から、半月後。
灯屋敷では、住人が1つの部屋に集まっていた。

松原拓郎、ミコ、陽奈子、峰岸桃の4人だ。
普段通りの服装に普段通りの髪型、普段通りの部屋。違うのは、彼らが纏う空気だけだ。
柱や鬼殺隊員が普段の心に戻ろうとしているのに対して灯屋敷の…鬼灯が残した彼らの、その心だけは元の明るさを取り戻すことができていなかった。

初めに口を開いたのは、意外にも桃だった。
「…あのね。鬼灯さんに、いざと言う時に開けろって言われてた棚があるの」
その言葉に疑問を持ったのだろうか、ミコが首を傾げて桃に問う。

「それ、いつ言われたの?」
すると少し考え、桃が顔を上げる。
「列車の任務の前…ミコ姉が鍛錬始めるって話をした後だった気がする」
それにミコは暫し動きを止めて熟考する。

「じゃあ、そこ見に行く?いざと言う時なんて今でしかないし」
見かねた拓郎がそう言い、皆が立ち上がった。

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作者名:月音 | 作成日時:2019年11月9日 23時

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