白が滲む【呪術廻戦】 (ページ6)

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「…とさん、やまとさん起きてください」

『んっ…なに…』

なんか嫌な夢を見た気がして、頭がぼーっとしていた

どうにか重い体を起こせば、首やら肩やらがみしみしと軋む

ばさっと黒いブランケットが体から滑り落ちるのを眺めながら、そういえば高専の事務室で寝てしまっていたことをなんとなく思い出した

「もしかしてここで寝てたんですか？まったくもう」

『あれ？七海は？』

眠たい目を擦って顔をあげれば、そこにいたのは七海ではなく、見知った苦労顔だった

『伊地知くん今何時？』

「朝の7時です。お疲れの所申し訳ないですけど…」

なんだかんだ10時間くらいここで寝ていたらしいよく皆起こさなかったな

てか七海私のこと放置して帰ったな

なんて考えてたら伊地知くんがそう言いかけたので嫌な予感がしてきた

『まさか、また任務？この早朝から？やだやだ～』

「いえ、宿儺の指の件で話があるから山門さん呼んできてって五条さんが」

『え？宿儺の指？』

どういうことだろうと考えてきょとんとしていたら、昨日拾ったんじゃないんですか？って逆に伊地知くんが驚いたようにこっちを見る

あーそういえばそうだった

あれ宿儺の指だったのか、そんなことも分かってない昨日の私は相当疲れていたらしい

「まあ、とにかく五条さんが呼んでました」

『え～いやだなあ、何の話か伊地知くんが聞いてきてよ』

「嫌ですよ二度手間じゃないですか。私これから調査に行かないとなんです」

心底嫌そうにそういう伊地知くん

五条さん関係のことだいたい皆から押し付けられてるもんなあ…

心労お察しします…

『でも私五条さんと話したくないんだよね』

「…私はちゃんと伝えましたよ？知りませんよ？」

ソファの背もたれから身を乗り出して、少し上目遣いで頼んでみたのに伊地知くんの心はこれっぽちも動かせなかったらしい

踵を返して出ていこうとする伊地知くんの腕をつかんで揺さぶる

『どうしてもだめ…？お願いだよ～伊地知くん…』

「山門さん…五条さんじゃないんだから」

『おい』

それはアウト発言だろ伊地知くん…

変な沈黙と共に伊地知くんを見つめていると、がらがらっと部屋の引き戸が開いた

「おつかれ～Aあんま伊地知いじめんなよ」

『あ、硝子さん！』

だるそうに自分の髪を指で絡めながら、白衣の美人が立っていた