〜沖縄〜 ページ15
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『お、沖縄っ!!?』
「まあそういうことだ。よろしく頼む」
いろいろと忙しいらしく私たちに用件を伝えるとすぐ踵を返して出て行ってしまった夜蛾先生
疲れてみえた夜蛾先生を不憫に思いつつ、なぜ沖縄?と言った七海を見つめる
「そんなの僕らが考えても無駄だよ」
「私たちが行った方が迷惑になりそうな規模の任務だけれど」
『まあ沖縄行ってみたかったからいいや』
行ったって観光してる暇なんかないだろと冷たくいう七海はため息をついた
一年にしては珍しくちゃんとした任務らしく、灰原は張り切っている
『まあこれが深夜にたたき起こされてなきゃもっと良かったけどね』
現在26時
部屋着のまま集められた私たちは今から数時間後の飛行機に乗らなくてはいけないらしい
「あ、僕のキャリーケースこの前壊れたんだった…」
『……いらないんじゃない?』
まあそんなこんなで、みんな総出で沖縄へとやってきたわけだけど…
『観光できないとは思ったけどさ〜流石に空港から出られないって言うのはひどすぎない?』
「仕方ないよ、今度観光で一緒に来よう」
優しい灰原はそう言って笑う
七海はというと寝不足のせいも相まって相当に不機嫌な顔で遠くを見つめていた
着いてから4時間以上気を張りながら空港を巡回していたせいでもう気力も尽きてきた
こんなに同じ所を往復してたら逆に私たちが怪しまれるんじゃないかと思う
『一旦寝てもいい?』
「あと2時間後には帰りの飛行機の中だからそれまでは…」
「滞在1日延ばすって!」
ケータイを見た後そういった灰原の一言で、七海と二人で固まった
立ったまま意識が飛びかけたところで、ケータイが鳴って驚いて飛び跳ねた
五条さんからのメールを開けば砂浜でピースしてるアロハシャツ姿の夏油さんの写真が添付されていた
いらっとしながら、もっとイライラしてる七海の写真をこっそりとって返信しておいた
これ以上七海を怒らせないように写真は保存してから静かにケータイをしまった
それから一人ずつ交代で2、3時間ずつ仮眠しながら巡回して過ごした
帰りの飛行機の方が行きよりはまだマシな雰囲気だったし、思いのほか何も起きなくて拍子抜けしていた
この時考えてたことといえば、夏油さんと天内さんが仲良さそうにしているのを羨ましく思ったことくらいだった気がする
この後あんなことになるとは全くもって想像さえしていなかったから
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作者名:ビタミンとっき | 作成日時:2023年10月5日 2時