推しに恋はしないっ！【SVT】 (ページ5)

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いや、私どこから出てけばいいか分かんないんスわ

助けてって目で隣にいるハニを見れば、歩けないと思われたのか肩を貸してくれる

綺麗な顔が真横にきて、体温を感じる

どういう状況？！無理心臓に悪い

急いで離れようとするけど上手く足が動かなくて、ハニも巻き込んで倒れそうになる

MG「ちょ、大丈夫？」

JH「悪い、手伝ってミンギュ」

両側をハニとミンギュに支えられて辛うじて歩く

思い出して私がいた座席の方を振り帰れば、呆然とこっちを見つめる私と目が合った

JH「ちょっとお前まじでどうしたの」

SC「ドギョマ！大丈夫か！」

舞台裏に引っ込んだ瞬間にクプスが駆け寄って来て声を掛けられる

毎日画面で見ていた人達が目の前にいてもう脳内パンク状態

スタッフさんにマイクを回収されて、ミンギュがイヤモニ外してくれて、ソファまで連れていかれる

全てが他人事でまるで映像でも見ているかのようにしか感じられない

皆も見るからに汗だくで疲れているようで、椅子にもたれ掛かったり、座り込んだり

終わって楽しくなって騒いでたり、カメラになにか話してたり…

そんな中で私の周りだけ、異様な空気に包まれていた

MG「ドギョマ？何も言わなきゃ分かんないよ」

JH「ドギョム、声でないって」

SC「は？ほんとに？」

覗き込む三つの美しすぎる顔にただただ頷くことしかできない

辛うじて言っていることは聞き取れる

でも喋れば絶対ドギョムじゃないことがばれる

なぜかバレてはいけないように感じて、ただ黙る

どうしよう

咄嗟に思いつく方法は一個しかなかった

ドギョムの携帯はどこだろう

三人にむかって電話をするジェスチャーをすると、ミンギュがさっとどっかに行ってスマホを持ってきてくれる

良かった指紋認証があって

そして急いで自分の携帯番号を打ち込む

「ヨボセヨ」

通話口の向こうで私の声が聞こえる

三人にごめんというポーズをとって人気の少ない場所に移動する

『えっと、ドギョム、さん？ですか？』