第14話 ページ14
可愛い、好き、愛してる。
都合のいい言葉だ。
それらはただのまやかしだ。
そんな薄っぺらい言葉は誰にでも言える。
俺だって言える。好きでもない奴に適当に安い愛を囁くのなんか簡単だ。
告白されたのは初めてじゃないし、今までに何回か付き合ったことはある。だがそれは最初だけだ。
付き合う前は甘い言葉を囁いて好かれるように努力するが、付き合った後はまるで人が変わったかのように雑になる。口だけで何も行動しない。気付いたら立場が逆転するんだ。
「丁度いいところにいた」
声を掛けられ、振り向くとジャミルの姿があった。
「これをエースに渡してくれないか?アイツ、部室に置きっぱなしだったんだ」
「分かりました」
ジャミルから預かった。そのまま去ろうとしたが「一つ聞いていいか?」と尋ねられる。縦に頷くとジャミルは口を開く。
「何故エースの告白を断ったんだ?」
またこの質問か。
「俺はエースに恋愛感情を持っていません。加えるなら俺は人を好きならないから、試しに付き合ったとしても時間の無駄なだけなんですよ」
冷たい目で淡々に言う彼にジャミルは「そうか」と返事をした。
「エースに告げ口しても構いませんよ。それで諦めてくれるならそれで結構なので」
Aは軽くお辞儀をして去っていく後ろ姿をジャミルは眺めた。
「人間嫌いか、それ以上に人間不信でもあるな…あれは」
「ジャミルー!こんな所で突っ立って何をしているんだ?」
タッタッタッと軽快な足音が近付いてくると思ったらカリムが駆け寄ってきた。ジャミルが見ている方向にカリムは目を向けるとAの後ろ姿が視界に映る。
「えっとオンボロ寮にいる…名前なんだっけ…?」
「A。いい加減覚えろ」
「Aだった…!なんでこんなに名前覚えれないんだろうな?」
「興味なさすぎだろ。監督生の名前はすぐに覚えたのにな」
この学園で監督生とAの違いを見せつけられているんだろう。だからあんな風にひねくれているのか。気の毒な奴だ。
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原(プロフ) - ももももももつつつさん» 返信がかなり遅くなってすみません。今回はエースがメインなのでバスケ部を多めに入れてみました.ᐟ.ᐟ書いていて楽しいです> < 更新再開しますので最後までお付き合い頂けると嬉しいです.ᐟ.ᐟ (12月1日 4時) (レス) id: fac85d8135 (このIDを非表示/違反報告)
原(プロフ) - 檸檬さん» 返信がかなり遅くなってすみません。今作は監督生と男主の文章を練っているつもりなので嬉しい言葉です(;;)更新再開しますので最後までお付き合い頂けると嬉しいです.ᐟ.ᐟ (12月1日 4時) (レス) id: fac85d8135 (このIDを非表示/違反報告)
ももももももつつつ - くぁぁぁぁあ!!!ストーリーも面白いし、ジャミル、フロイドの会話も面白い!!!バスケ部最高!!!頑張ってください!!!! (2023年2月8日 2時) (レス) @page25 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すごい面白かったです!!監督生ちゃんの葛藤とか、男主くんの感じとか全部好きです!!御身体に気をつけて更新頑張ってください!応援してます(*^^*) (2023年2月8日 0時) (レス) @page25 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
原(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて大変嬉しく思います☺️更新頑張ります! (2023年1月19日 10時) (レス) id: 767bd22d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:原 | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/x_hara_?/)
作成日時:2023年1月11日 18時