第２話 ページ2
Aを家に招いて3日経っていた。
玲王が妹と一緒に暮らすと言うと両親は控えめに反対をするが、しかし両親は玲王に逆らえない。実力や全て玲王は親をとうに越していた。渋々両親は妹を引き取ることを承認した。
少しずつAのことを知れてきた。年齢は13と言っていた。学年で言うと中学1年生だ。同年代と比べてAは幼い。
Aの世話はほとんどばぁやにさせていたのだろう。外へ出る機会もなく他人と交流することもない。自己主張あまりなく物欲もない。そこは子供らしくない。
俺がその年齢の頃は欲しいものは沢山あった。今思えば我儘だったのかもしれないが、それを許された環境だった。だがAの場合は許されなかったんだろう。だから俺と対照的な性格だ。
「おはようございます…にいさん…っ」
「顔色悪くないか？」
「あまり眠れなくて…」
「まだこの家には慣れないか」
顔色が悪く見えたのは睡眠不足によるものらしい。Aは神経質のようだ。考えてみれば実家から出たことがないと言ってもいいだろう。急に知らない家に来て短期間で慣れるはずもないか。
不意に頭に過ぎった。ハッキリと顔は思い出せないが俺の学友にどこでも寝れる奴がいた気がする。あれはあれでいい体質なのかもしれないな。あまりソイツのことは思い出したくないから蓋をした。もう二度と会うこともない。
「ごめんなさい…っ」
Aは何故か申し訳なさそうに詫びる。
「なんで謝るんだ？Aは悪いことしてないだろう？」
目を伏せ、おどおどするAはあの日と同じだ。Aは親から愛情を注がれなかった。何も与えて貰えなかった。親から貰えなかった愛情を代わりに俺が注いでやろう。ゆっくり時間をかけて完成させていこう。俺なしじゃ生きられないように。
「Aがこの家に慣れるまで一緒に寝ようか。誰かがいた方が落ち着いて眠れるかもしれない」
縦に頷くAは既に眠そうだ。Aを抱き抱え、膝の上に座らせる。小さな体はすっぽりと俺の腕の中に収まる。とんとんと背中を優しく叩くとうとうとしてきたAは瞼を閉じて深い眠りについた。
腕の中ですやすやと眠るAを抱きしめた。
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原(プロフ) - 真昼さん» ありがとうございます！最初の話から不穏を漂わせるストーリーなので最後までお付き合いして頂けると嬉しいです。 (2023年2月5日 17時) (
レス) id: 767bd22d2b (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - めっちゃ最高です！最後かどうなっていくのか楽しみです！ (2023年2月4日 11時) (レス) @page1 id: 94c427d0c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：原 | 作成日時：2023年2月3日 0時
