【84】ピアス ページ34
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リョウコとの電話を終えて、図書館に向かった。
図書館で日本史の勉強をすると言っていたそのコを探すと、日本史の棚をなにやら物色中だった。
「勉強はかどってる？」
「あ、先生」
付属高校だから、大学の図書館は自由に使える。
だからこうやって高校生が大学生に混ざっていることもよくある。
「いい資料持ってるよ。それ貸してあげるから座ろうか」
「ありがとう先生」
学習スペースの隅の方の机に向き合って座り、職員室の自分のデスクから持ってきたものを見せた。
「何これ、英語･･･？」
「英語で書かれた、戦国時代のまとめ」
「まじ？これ訳しながら読まなきゃじゃん」
俺が見せてあげたのは、かつてAが書いた、戦国時代の英語レポートのコピーだった。
Aがこれを見せてくれたとき、「雅紀が持っておいて」と何故か俺に渡してきた。
「これね、俺の幼馴染が高校の時に書いたやつなの。
君みたいに日本史が苦手で、高校三年間ずっと俺が日本史教えてたら、それを三年かかって英語でまとめたんだよ」
「うそー、めっちゃすごい」
「だからさ、これ一冊で戦国時代と英文読解の勉強になるって感じ」
「ちょっと読んでみる」
うちの高校は英語教育に力を入れているからか、英語への苦手意識はあまりないようだった。
それか、英語を担当しているのが櫻井先生だからかもしれない。
一個上の櫻井先生とは、何故か結構仲がいいから、今日の話でもして酒でも飲もうかなって思った。
「タイトルが超ウケル。Road To Gloryだって。栄光への道、って天下統一のことかな」
「面白いよ。受験用の日本史じゃないから楽しく勉強できると思うよ」
分厚いコピーを手に、それをまじまじと見ていたそのコが、一枚めくって読み始めた。
「英語の辞書、持ってきてあげようか？」
「大丈夫、持ってきてる」
時折辞書を捲って単語を調べながら、真剣に物語を読んでいるその姿を、頑張ってるなあと穏やかな気持ちで眺めていた。
さら、と黒髪が流れて、耳にピアスが見える。
へえ、ピアスなんてしてるんだ。
そう思って手を伸ばして耳元が見えるように髪をよけてみる。
すると、テキストから目を離して、そのコは俺を見上げた。
「なに？先生」
「いや、かわいいピアスしてるなと思って」
Aに似てるそのコのピアスを見て、ふと思った。
今度の誕生日、ピアスをプレゼントしてみようかな。
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りりい(プロフ) - トリコさん» いやいや、書いてる私が泣きそうですから(考えすぎ)。ハッピー雅紀ね、書きたいですよね！書かないと終われないですよね！(ハッピーな話書けない傾向にあるけど）待ってて、「サイテー」の続きをね・・・今書いてるから(もやもや)。 (2017年2月16日 21時) (
レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - いやいやいや、私が泣きそう｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡りりぃちゃん（ドキドキ)くっついた後のハッピー雅紀をそらぁもうがっつり描いてもらわにゃ！と。思ってまふ。w (2017年2月15日 22時) (レス) id: b44e167a91 (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - トリコさん» 終わらせないからー！まーさーきー！や、ありがとうございますほんとに。実は私もすごく叫びたい。まさきー！！ (2017年2月13日 22時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - 終わらないからー！雅紀！もう怒濤の更新に楽しみすぎて毎回叫んでる。いつも書き込んですいませんでも叫びたいのですー！｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (2017年2月13日 20時) (レス) id: 000aaf7ccb (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - トリコさん» 裏側楽しんでいただけて嬉しい！読み直してもらえるのも嬉しい！がんばります、あと10年分くらい・・・！ (2017年2月10日 19時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりい
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=lily1022
作成日時：2017年2月1日 20時
