【53】彼女の存在 ページ3
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変にごまかすこともなく、でも「彼女」というワードを出すこともしなかったヨコが、Aに手を差し出した。
「じっくり見てええよ」
その差し出された手を取って、Aはまじまじと指輪を見ていた。
ヨコがAに対して自分の恋愛事情を自分から公開したことは、今まで一度もなかった。
一度Aが彼女と二人でいるところを見た、と言ったことはあったけれど、あれだって不測の事態だったはずだ。
「意外！ヨコってそんなこと言われてちゃんとつけてあげるんだ！」
「俺そういうとこちゃんとする方やで？」
指輪をつけてあげてること自体は、そんなに意外なことでもなかった。
部屋に「自由に」出入りさせているってことは、それなりに心を許している相手だってことだと思うし、それだったら相手の気持ちを汲んであげるくらい、ヨコはスマートにやってあげるはずだ。
それよりも意外だったのは、Aにそれを教えたってところだった。
長いの？とAに聞かれて、もうすぐ2年だと教えるヨコの心理を少し知りたかった。
「へぇ、写真ないの？」
彼女を知っている俺がそう聞いたことに少し驚いた表情をしたけれど、すぐにいつもの調子に戻った。
「雅紀、ほんまに見たいか？」
「見たいよ！」
「見せへんよ！」
笑っていたけれど「お前何言ってんの？」とその顔が言っていた。
写真まで見せたら、それこそもう割り切ったのかなって、そういう事かなって理解しようと思ってさ。
でも写真は見せなかった。
これでAにとって、ヨコの彼女の存在はある意味ファンタジーと同じような意味合いになる。
さすがだなあ、なんて思った。
それと同時に、やっぱりなあ、とも思った。
「意外だな」
小さく呟いたAの声は明らかに嫉妬を含んでいて、心臓の辺りがジン、と痛んだ。
「大人になったやろ？」
Aに手を握られたままだったヨコが、まるで言い訳をするようにAの手を握って、そして静かにその手を放した。
その行動はまるで、俺に気を使うかのように見えた。
「みわこ？だめだよーそんな顔したら！」
「なによう、元々こんな顔ですう」
「違うよ、笑った方が可愛いって言ってんの」
だから俺は「気にしてないよ」とヨコに伝えるように、Aの注意を自分に向けた。
ヨコは気にしなくていいよ。
これはもう、どっちにしたってどうしようもない事だと思うから。
そんな気持ちで。
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りりい(プロフ) - トリコさん» いやいや、書いてる私が泣きそうですから(考えすぎ)。ハッピー雅紀ね、書きたいですよね！書かないと終われないですよね！(ハッピーな話書けない傾向にあるけど）待ってて、「サイテー」の続きをね・・・今書いてるから(もやもや)。 (2017年2月16日 21時) (
レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - いやいやいや、私が泣きそう｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡りりぃちゃん（ドキドキ)くっついた後のハッピー雅紀をそらぁもうがっつり描いてもらわにゃ！と。思ってまふ。w (2017年2月15日 22時) (レス) id: b44e167a91 (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - トリコさん» 終わらせないからー！まーさーきー！や、ありがとうございますほんとに。実は私もすごく叫びたい。まさきー！！ (2017年2月13日 22時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - 終わらないからー！雅紀！もう怒濤の更新に楽しみすぎて毎回叫んでる。いつも書き込んですいませんでも叫びたいのですー！｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (2017年2月13日 20時) (レス) id: 000aaf7ccb (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - トリコさん» 裏側楽しんでいただけて嬉しい！読み直してもらえるのも嬉しい！がんばります、あと10年分くらい・・・！ (2017年2月10日 19時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりい
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=lily1022
作成日時：2017年2月1日 20時
