【65】願い ページ15
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急いでお金をおろして、そのビアンキをお持ち帰りした。
「今日これでウチまで帰ってみる」
「さすがに遠いと思うけど」
「ね、スケボーヨコんちに置いといて」
「はあ？自分で置きに行きなよ」
「今日はAんちで鍋やるからもう帰るの！」
ニノには「初恋」だと自分から教えたからか、いつの間にかAの名前も教えていた。
教えることに抵抗はなかった。
相変わらず、俺達のことに興味が薄かったからってところもある。
「最近お世話してあげてるのね」
「今まで結構ほっといちゃったからさ」
「甲斐甲斐しいにも程があるってこういうことよね」
じゃあね！とニノと別れて初めてその自転車に乗ったとき、新鮮な気持ちで一杯になった。
春まだ浅い都内の街並みを、自転車で走り抜ける。
東京の街に住んでいる、という実感がわいてきて、新しい生活がスタートしたんだと思った。
途中で地図を取り出して、Aの家までの道のりを確認する。
大通りを渡って、交差点を曲がって、だんだんと見たことがある風景になってきて。
Aに会いに行くんだ、そう思ったら心が躍った。
「あ！雅紀！」
Aが俺を見つけて、手を振る。
「その自転車どうしたの？」
「買っちゃった」
「うそ！かわいい！」
雅紀に似合うね、と俺を見上げながらAが笑う。
「材料買ってきた？」
「買ってきたよ」
「じゃ、帰ろっか」
「うん帰ろ」
家を出て一人暮らしを始めた。
それでも、昔と変わらずAはご近所のままだった。
ここ数年は生活スタイルの違いから、以前ほどべったり会うことが減っていたけれど、一日の全てが自分のための時間となった今、俺が最初に優先させたのはAと過ごすことだった。
Aのアパートの自転車置き場にビアンキを止めて、俺の持っている鍵で玄関を開ける。
「ただいまー」
「ただいまー」
まるで、一緒に暮らしていると錯覚するかのような、瞬間。
Aを知っている人とは付き合えない、と言ったときに自覚したように、俺はAを一生好きでいるんだろうなと、この頃にはもう思っていた。
だから、当然こうも思うようになった。
いつか、生活を共にしたいと。
ずっとAに俺の隣に居て欲しいと。
思うだけなら、願うだけなら自由だと信じていたから。
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りりい(プロフ) - トリコさん» いやいや、書いてる私が泣きそうですから(考えすぎ)。ハッピー雅紀ね、書きたいですよね！書かないと終われないですよね！(ハッピーな話書けない傾向にあるけど）待ってて、「サイテー」の続きをね・・・今書いてるから(もやもや)。 (2017年2月16日 21時) (
レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - いやいやいや、私が泣きそう｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡りりぃちゃん（ドキドキ)くっついた後のハッピー雅紀をそらぁもうがっつり描いてもらわにゃ！と。思ってまふ。w (2017年2月15日 22時) (レス) id: b44e167a91 (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - トリコさん» 終わらせないからー！まーさーきー！や、ありがとうございますほんとに。実は私もすごく叫びたい。まさきー！！ (2017年2月13日 22時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トリコ(プロフ) - 終わらないからー！雅紀！もう怒濤の更新に楽しみすぎて毎回叫んでる。いつも書き込んですいませんでも叫びたいのですー！｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (2017年2月13日 20時) (レス) id: 000aaf7ccb (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - トリコさん» 裏側楽しんでいただけて嬉しい！読み直してもらえるのも嬉しい！がんばります、あと10年分くらい・・・！ (2017年2月10日 19時) (レス) id: e73758d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりい
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=lily1022
作成日時：2017年2月1日 20時
