【ＤＱ11夢】バンデルフォンの（元）王女様は転生者だったので好きに生きさせていただきます (ページ2)

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episode2　英雄の国のお姫様ページ2

転生してからあっという間に数ヶ月が経ってしまった…。
なんと私はバンデルフォン王国の第一王女A=ネルセルだったのだ…。
帝王学に歴史の授業、魔法学、剣術などなど。王族の教育の忙しさといったらありゃしない…。

特に苦手なのは剣術だ。
バンデルフォン王国は英雄ネルセンが建国した国。当然王族には、剣術が求められてはいるものの、私に剣術の才能は無かった。
向いていないのだ…。

「向いてないものを無理にしたって伸びないと思うわ…。」

「左様ですね。しかし、挑戦することに意味があるのです。姫様はまだ幼い故伸び代が無限大なのでございます。ですので、剣術の基本レッスンの後は姫様の武器探しでもなさいますか？」

長ったらしい説教かと思ったら、良い先生だ。
コクリと頷き、素振りから始め、体力向上のための走り込みや打ち込みを行った。
そして、最後は模擬戦。これが物凄くきっつい。手加減しているはずなのに何度地面と仲良くしたことか…。
基本が終わる頃には、息が上がり、木刀を支えに立っているのがやっとだった。

「姫様に力強く実直な剣は難しいのでしょうな…。姫様の剣は…」

先生の言葉は第三者の声に遮られた。

「妖精が踊ってるみたいだ。」

私よりも少し年上の男の子。その子の登場に先生は驚きの声を上げ、慌ててその子の頭を素早く抑え下げさせた。

「姫様！愚息が大変ご無礼を…！！」

「顔を上げて頂戴。いいのよ。私は王女という肩書きですが、あなたは私の先生なのだから。言いたいことを言ってほしいわ。」

それを聞いて顔を上げたのは男の子だった。

「姫様の剣は英雄王ネルセンの剣技とされる実直で力強いものではないと思います。だけど、とっても優雅で美しくて、踊っているみたいだと思う…。」

「いつから見ていたの！？」
「走り込みから…です。」

ヒィヒィしながら走ってるところを見られ、地面に何度も転ばされるところも見ていてそんな反応をされると困ってしまう。というか恥ずかしい。

妖精という響きからして、嫌な捉え方はされてなくて良かったけど…。そんなに絶賛される程の代物ではないはずなんだけど…。

この出会いが幼馴染であり、友達でもあるグレイグと私の初めての会合だったのである。