【d!】私のために、生きろ。2 (ページ7)

今日:7 hit、昨日:49 hit、合計:11,961 hit

司書の逃亡劇が始まるページ7

『まぁ、そうだろうね…。でもどっちにしろ、知らないことが多いのは変わらないから、今日は本を借りに来たの。恋愛小説とか、読んだことないから見てみようかなって。』

em「そうだったんですか。てっきりいつものようにお茶をしに来たのかと…」

『お茶もしたかったから一石二鳥！的な！エーミールに癒されたし。』

その言葉に微笑んだ後、「恋愛ものの小説コーナーはこちらです。」とエーミールが席を立ち上がる。あたしもエーミールの後に続いた。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

『案内ありがと〜！ちょっと探してみる！』

そう言ってから数分後。
どれを読めばいいのか分からずに悩んでいた。おまけに下の方の本は全てなんとなく確認したから、届かない上の方をちょっと見たいな…

あたしはキョロキョロと周りを見渡す。
すぐ近くに脚立を発見。
迷わずに脚立を本棚の前まで持ってきた。

慎重に登る。割とグラグラするなぁ…

『これ短編集みたいだし、読みやすそうだからこれにしよ！』

綺麗に並べられたうちの1冊を取ろうと指先に力を込めたその時、
脚立がぐらりと傾いた。

『わぁ！？』

em「Aさん危ない！！」

ドシン！！

エーミールが、脚立から落ちたあたしの下敷きになってくれたみたいで怪我はなかった。
倒れたエーミールの腰に跨っているあたし。そしてエーミールの手が…

『エーミール！？』

エーミールの手はあたしの胸をガッチリ掴んでいた。
途端に両者とも顔が真っ赤に染まる。そのまま固まるエーミール。

em「す、すみません！！本当に申し訳ございません！！」

真っ赤な顔のままパッとあたしの胸から手を離した。
『あたしこそごめん！』と言ってエーミールの上から退くと、インカムから声が聞こえてきた。

rb《図書室にてエーミールがAの胸を揉みしだく事件発生。直ちに出動せよ。》

…ロボロにしては珍しく間違った情報だ。

em「揉みしだいてへんわ！！」

kn《ついにやったかー。》

ut《なんやと！？感触はどうやってん！？》

tn《粛清。》

各々がインカムで喋り出す。
その後、聞き取るのがギリギリなくらい低い3人の声が聞こえた。

shp《今丁度ブラックソーンの手入れしてたんです。試し打ちにぴったりですね。》

gr《シャオロン、我が軍全ての兵器をいつでも出せるようにしておいてくれ。》

そして最後はこの人。

zm《無事に今日を生きれると思うなよ。》

その日の夜にAが誤解が解くまで、エーミールは城から姿を消した。