図書室ティータイム ページ6
「誰よりも、愛おしい。」
「好き、好きやで、A。」
グルッぺンとゾムの言葉を思い出す。
どちらも、今でも耳に残っているほどインパクトの強いものだった。
あたしは勉強不足だ。
もっと学んで、2人に応えてあげなきゃ！
よし！
〜図書室〜
『エーミール？いるー？』
司書であるエーミールを呼ぶと、高い本棚の裏からひょっこりと顔が出てきた。
em「Aさん！今お茶入れますね。」
今日はお茶飲みに来たわけじゃないけど…まぁいっか！
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
『はぁ〜エーミールの淹れる紅茶相変わらず美味しい〜』
em「ありがとうございます。」
向かいの席で微笑むエーミール。
マドレーヌを頬張って、至福のひととき。
あ、そうだ。
『ねぇ、エーミールってなんでも知ってるじゃん？』
em「なんでも、というと語弊がありますが…勉強はしています。」
『じゃあさー、恋って何？』
ぶっ、とエーミールが飲みかけていた紅茶を吹き出す。
『え、ちょ、大丈夫？』
em「えぇ、はい…なんとか。」
エーミールは自分のポケットからハンカチを取り出し口元を拭いた。
em「ゾムさんのことですか？」
『…うん。』
本当はグルッぺンにも言えることだけど、黙っておいた。
エーミールは目を閉じ、考える。
em「そうですね…実は私もそういうことには疎くて…」
『え？そうなの？仲間？』
em「仲間、ですね。」
少し恥ずかしそうに微笑むエーミールがすごく可愛い。
em「その、ですね…もしAさんが疎くなかったとしても、あの方…ゾムさんは少し特殊ですから、どちらにせよ手を焼いていたと思いますけど。」
昨晩のことを思い出す。
少し特殊…少しじゃない気がする。
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作者名：雪白ましろ | 作成日時：2024年2月9日 17時
