【d!】私のために、生きろ。2 (ページ39)

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まさかの脱出法ページ39

ゾムside

ル｢思ったより早かったですね、脅威殿｣

『ゾム！』

zm｢A！｣

壁に貼り付けられてるAの元へ行こうとするが前に男が立ち塞がる
まずはこいつを片付けるのが先か

俺がキラーピアスを構えると、男はレイピアを向ける

ル｢邪魔しないでください。王に死んでもらい、私はA様と駆け落ちし、幸せに暮らすのです。｣

zm｢勝手なこと言ってんちゃうぞ｣

こいつは主を裏切りAを奪う気だ

zm｢お前も、スタンシアラ王も、この国も終わりやねん｣

そこからは早かった
完全に頭に血が上っている俺はいつもより力を発揮した

ショッピくんと訓練してたからか、相手がとても遅く感じる

刺す、刺す、刺す

ボロボロになった相手はついに立てなくなった
身体を引きずり、Aに近付く

ル｢A、様…愛し、て…｣

zm｢Aに近付くな｣

最後に心臓を一突き
息絶えたのを確認して、死体を部屋の隅へ移動させた

zm｢A、やっと、やっと助けられた…｣

『ゾム、ありがとう…』

彼女の頬を撫でれば静かに涙を流すA
再会の喜びを分かち合う前に、インカムから声がした
同時に城が揺れ始める

shp《ゾムさん！王が死ぬ直前に自爆装置を発動させました！早くここから脱出しないと爆発します！》

kn《おい、Aは！》

インカムをオンにして答える

zm｢Aは無事や。今すぐ2人で脱出する。先に外行っててくれてええで。｣

shp《了解、しっかりお願いしますよ》

インカムをオフにしてAの拘束を解こうと、硬い金属を見る
頑丈で外れそうにない

zm｢ﾁｯ…｣

『ゾム、兵士たちが話してるの聞いたの。このセキュリティは何重にもかけられてて、ここの幹部にしか解けないって』

そんな、じゃあどうすれば
更に城の揺れが酷くなる、セキュリティを解く時間はない

『ゾム』

俺の名前を呼ぶと同時に、Aが転送させたのか床にカランとナイフが落ちる

『それ、ただの特殊効果も何もないナイフ』

zm｢A、まさか…｣

『そのまさか』

Aは笑って続けた

『あたしの手首足首を切り落として、早く』

zm｢そんなことできるわけ！｣

『大丈夫、3日で元通りだよ。お願い、みんなの元に帰らせてよ…』

そう言って涙を流すA
でもそれしかない

zm｢クソッ…ごめんA！｣

俺は泣きながらナイフを手に取った。