その決意 ページ31
ロボロside
1人を矢が貫いた。しかしあと4人。
４対１か…
｢足元を狙え！｣
木の影に隠れながら少しずつ移動する。
気配が増えた。増援か？
右の方に見えた影を目で追い、構える。
ふぅ、と息を吐く…ここや
｢ぐっ！｣
rb｢チョロいな｣
｢うおおおおよくも仲間を！｣
錯乱して体当たりしてくる敵をいなす。そして放つ。
この軍服に書かれた紋章…スタンシアラのもんや。
次々と増える敵。倒しても倒しても…これじゃキリがない。
｢撃て！｣
その声に慌てて振り向くと、飛び込んだAが俺の目の前で約3発の銃弾をくらった。
rb｢A！！｣
『いたた…』
よろめいて木にもたれかかるA
なんで銃弾3発受けていたた…で済んでんねん
rb｢お前また自分を犠牲に｣
『盾出すのまで間に合わなくて…』
俺の服はAの血で染まった。
｢おい、仲間の女がいるぞ｣
｢どうする？｣
｢上からは天の声を捕らえろとしか言われていない！女の方は殺 してしまえ！｣
俺が弓を構えるより前に、A目掛けて銃弾が飛ぶ。
その数10発以上。Aは俺の前に立って全てを受け止めた。
rb｢馬鹿！｣
Aがブーメランを両手に持ち、前へと投げる。敵を切り裂いて戻ってきたそれには返り血がついていた。
｢あの女、倒れないぞ！｣
｢増援を呼べ｣
Aはその場に膝をつく。
敵が攻撃してこないのを確認して、Aを背中に手を添える。
rb｢おい、A…｣
『怪我は、ない…？ロボ、ロ…』
rb｢自分の心配をせぇ！｣
『ロボロ』
Aがゆっくり顔を上げて俺を見た。
どうする、どうすればいい
『あたしの顔、見て』
俺はしゃがみこんでAの顔を覗き込む。
rb｢逃げるで｣
『そう、だ…ね』
rb｢もう喋らんでええから！｣
話す度に口から吐かれる血。
Aを担ごうと手をかけたその瞬間。
『あたし、が…まもる』
rb｢は？…うあ！？｣
Aが自分の付けていた赤いマントを俺に装着した。それと同時に俺の身体は大きく空へ舞い上がる。
rb｢A！！｣
手を伸ばすも届くはずもなく
遠くでAが倒れるのが見えた。
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作者名：雪白ましろ | 作成日時：2024年2月9日 17時
