終末 ページ27
ci｢棍？｣
ラボにて、
あたしはひとつの武器を取り出す。
長い棍。半分は赤、半分は橙で塗装され、両端には四角い金飾りがついたデザイン。
『チーノはさ、なんでも器用に使いこなすから迷ったんだけど…背が高いし自由もきくから棍にしたんだよね』
あたしと手からそれを受け取り、構えるチーノ。
『似合ってるよ』
ci｢めちゃくちゃかっこいいです、これ！…先輩のことだから、特殊効果付きですよね？｣
あたしは頷いた。
『敵の攻撃を回避する度に長くなって、威力も上がるよ。』
ci｢じゃあ、追い詰められれば追い詰められるほど強く…｣
『そう…ゾムとチーノの手合わせを見た時に思いついたんだ。ゾムは動きが速いから手数も多い。それに対してチーノは蝶のように舞って、綺麗に回避してた。』
チーノは武器をしまってあたしを見る。
ci｢それは…俺を見てたんですか？それともゾムさん？｣
質問の意図が全く分からなくて、首を傾げながら答える。
『えと…あたしはチーノの教育係だし、武器作りの参考にしたかったからチーノを見てたけど？』
チーノは頭をガシガシと掻き、｢あ゛〜｣と声を出した。
ci｢そうですよね、すみません｣
『う、うん』
ci｢武器の名前はなんていうんですか｣
『アポカリプス』
意味としては｢世界の終わり｣
チーノは結構黒いところあるし、ピッタリだと思う。
インカムから声が届く。
rb《チーノ、引き継ぎしたいから来てくれる？》
ci｢はーい｣
インカムを切って、私を見るチーノ。
ci｢今日、本当に行くんですか？ロボロさんと｣
『うん、行くよ？』
曇った表情を見せるチーノに笑う。
『なぁに、寂しいの？』
自然と口角が上がる。
あたしすごいにんまりしてる、絶対
ci｢いつだって、貴方がいないと寂しいですよ｣
それじゃ、お気をつけて。
そう言い残してチーノはラボを出ていった
『素直…』
呆然とするあたしを置いて。
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作者名：雪白ましろ | 作成日時：2024年2月9日 17時
