【d!】私のために、生きろ。2 (ページ23)

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客人の対応ページ23

ノックして『お茶をお持ちしました。』と言うと｢どうぞ｣とオスマンの声が返ってくる。

外交官のお仕事中かな？

ゆっくりとドアを開けて中に入る。
カートをテーブルの近くまで引いた。

os｢…A？｣

少し驚いたようなオスマンの表情。
するとお客さんが立ち上がった。

銀髪の片眼鏡をかけた35歳くらいの男の人。
その人はあたしの右手を両手で包み込んだ。

『へ？』

ル｢はじめまして、ルドルフと申します。隣国であるスタンシアラの外交官です。お会いできて光栄でございます。A様。｣

そんなことより、オスマンから放たれる黒いオーラが気になって仕方ない。

『…お褒めに預かり光栄にございます。』

にこりと笑って答えると、ルドルフさんは気を良くしたようだ。

ル｢噂には聞いておりました。戦闘だけではなく、武器職人としても非常に優秀だとか。まさかこんなにお綺麗な方だったとは！どうですか？まずは短期間だけでも、我が国へ。歓迎しますよ？｣

嬉々として話すルドルフさんに、オスマンの黒いオーラが増す。
しかし何も言わず、表情さえ変えないオスマン。

この人が言っているのは引き抜き？
…こんな時は、

『お誘いありがとうございます。ですが私は、グルッペン総統閣下に永遠の忠誠を誓っておりまして…』

掴まれた手を払い、目を細める。
務めて明るく。

『私の命はグルッペン総統閣下のもの同然です。そのような用件は総統に直接話された方がよろしいかと。』

グルッペンの名前を出せばたちまち顔を青くする相手に、微笑んだ。
あたしは紅茶とお茶菓子をテーブルに並べて、『ごゆっくりどうぞ』と応接室を出た。

『はぁ…』

普段あんな話し方しないから緊張した！
あたしは足早にその場を去った。