ピアス ページ21
ゾムside
ぷつ
安全ピンを耳朶に刺す。
少しだけ血が出てきた。
鏡を見る。左耳に2連星…うん、うまくいったみたいや。
守るべき存在がいる証。
最近またライバルが増えた。
グルッペンは…多分最初からやけど、ショッピくん、それに大先生。
チーノは教育係であるAを独占してはいるけど真意はわからん。
エーミールとオスマンとは仲良いみたいだから要注意。
ひとらんと兄さんは恐らく妹やと思っとる。
シッマとシャオロンも厚い信頼を置き始めた。
ロボロ、ぺ神は1番わからん。でも、
zm｢問題はトントンや…｣
Aからの信頼が1番強いのはトントンに違いない。
トントンの前が1番リラックスできるみたいや。
zm｢ふぅ…｣
立ち上がって伸びをしては、自室を出た。
〜Aのラボ〜
zm｢ちーっす！｣
ドアをノックもせずに開けると、中にいたAとチーノがビクッとする。
…おい、なんか一人多いな。
zm｢なんでおんねん、チーノ｣
作業台の前に立つAに後ろから抱きついてチーノにしっしと手を払えば、怪訝そうな顔をされた。
ci｢俺が先輩と先におったんで、どっか行ってもらえます？｣
zm｢なんや、いつもいつもひっつき虫みたいに。邪魔やねん。｣
ci｢俺にとってはそっちが邪魔ですけど？｣
バチバチと目線が合い火花が散る。
その様子にAがため息をついて、ボソッと呟いた。
『…正直どっちにも出てって欲しいけど』
zm｢そんな冷たいこと言わずに構ってーや！｣
気がちったのか、もう！と俺の方に振り返るA。
『そんなにくっつかれると暑いし……あれ、ゾム…』
zm｢…ん？どしたん？｣
『あ、いや…なんでも。とにかく！2人とも出てかないとトントン呼ぶよ！』
ほーら、出た。トントンや。
そうやって他の男の名前が出てくると素直に妬ける。
ci｢違うんですA先輩！俺は教えて欲しいことが…｣
『はいはい！後で聞くから！』
Aに背中を押され、2人してラボを追い出された。
ci｢はぁ〜…邪魔者が来なければもうちょっと先輩といられたのに。｣
そう俺に悪態をついて去ってくチーノ。
お前も要注意人物やな。
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作者名：雪白ましろ | 作成日時：2024年2月9日 17時
