選ばれし者 ページ20
コネシマside
『…マ……シマ………コネシマ！！』
俺を呼ぶ声にハッと我に返った。
Aが心配そうに俺を見つめる。
ここは、我々城屋上。
じゃあさっきのは？あまりにもリアルすぎた。
『ちょっと！大丈夫なの！？剣に触れた瞬間ぼーっとして、動かなかったよ？』
kn｢大丈夫や。｣
多分。
そう答えても心配そうなAから、大剣を受け取った。
柄に両手を添え、構える。
その途端、全身に力がみなぎってした。
kn｢な、なんや？｣
右手を柄から離し見つめると、そこに闇の炎が宿った。
kn｢どういうことや！これ俺がやっとんのか！？｣
『うん、その剣は持ち主をコネシマだと認識したみたいだよ。』
手を握るとその闇は消える。
剣を下ろしてAへ向き直った。
kn｢説明せぇ。｣
『…そうしたいところなんだけど、そのー、あたしにもよくわかってなくて。』
kn｢はぁ？｣
慌てるAに詰め寄った。
完全に目が泳いどる。
『えっと、あたしが知ってるのは…この剣で敵を倒せば倒すほど、強くなるってこと！』
kn｢強くなる？｣
『うん。攻撃力はもちろんのこと、さっきの闇の炎の威力や自由度も上がる。その武器の可能性は無限大だよ。』
いつだったか、Aが来たばかりの時。
その時、自分は｢はちゃめちゃに強い伝説の武器｣と言った。
まさにこれこそ相応しい。
『コネシマ…』
kn｢ん、なんや。｣
『もう一度聞くよ。…本当に使う？この剣。』
俺はにやりと笑って即答した。
kn｢使うに決まっとるやろ！こんな最高の剣他にないで！｣
そう言ってAの頭を撫でた。
普段しないから大分驚いたようだ。
『そっか。』
kn｢この剣、名前は？｣
『まだ教えてなかったね。この子は｢魔神冥王｣。』
kn｢魔神冥王…うん、ぴったりやな。｣
あの幻と、Aの心配とは裏腹に、
俺の心は踊っていた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
魔神冥王：禍々しい大剣。コネシマを主と認めたため、他の者は持つことすら不可能。この剣の主になると闇の力を自由に操れるようになる。多数の血を吸収すればするほど威力は上がる。持ち主の心をも闇に染めるが、コネシマはそれに打ち勝ち自分のものにできるのか？呪われた魔装備。
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作者名：雪白ましろ | 作成日時：2024年2月9日 17時
