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「…グルッペン様に、用があって」
「………こんな時間やないとあかんかったん？」
「……申し訳ございません」
震えた彼女の声が彼女の背越しに聞こえる。毒が効かんとか偽名だとか随分と不思議な生い立ちのお嬢様は正直厄介ではあった。勿論グルちゃんが彼女に独占欲を見せたのは完全に想定外だったが、周りも周りである。
俺が食うのを分かってて遠ざける姿勢を取ったオスマンやトントンは兎も角、ゾムやロボロもそっちに回るとは思っていなかった。まぁ一国の姫と言うだけあって身嗜みも良いし顔も可愛いが。そんなに執着するものか？あぁ、なんかイライラしてきたなぁ。こんな得体の知れないのなんて、消してまえばええのに。
エミさんも熱心に調べとるけど、近い内に攻められると分かっていて彼女を取っておく必要があるのか。彼女をこっちに送っておきながら戦争を吹っ掛けるということは、人質同然の彼女を見捨てるということ。今ここで殺したって、さほど影響は無いだろうが。
彼女の肩を掴み此方を向かせれば抵抗もせず俺の方に彼女の顔が向けられる。翳ったその表情は読み取れないが、まさか俺から銃を向けられるとも思っていなかったってとこだろうか。
銃を下ろしぐい、と顎を掴む。顔を上げさせれば彼女はふるりと身を固め視線を下へ落とす。
「アンタ、これ以上うちの国を壊さんでくれんか」
「……私は、」
「…全員が優しい軍人やないで？」
喉を擽ってこっち向きぃや、と彼女に告げればゆったりと伏せられていた睫毛が上を向く。月明かりが差し込み彼女の白い肌を鮮明に浮かび上がらせる。真っ直ぐに俺を見上げた彼女の瞳は、月明かりのせいか薄らと紅く色付いていた。
それは数分前に聞いた、悪魔を連想させるものであった。
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ヒスイ(プロフ) - 無月さん» 一気見...！ありがとうございます。サブタイトルから内容まで触れていただいて有難いです...多忙につき更新頻度が遅いですが最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2020年12月24日 7時) (
レス) id: dec598601a (このIDを非表示/違反報告)
無月(プロフ) - 初コメ失礼します｡ストーリー性が好きで一気見してしまいました｡一つ一つの題名がおしゃれでそれも見るだけでも楽しいです｡威厳のある総統様や嫉妬が混ざった総統様、伏線や色々なことがあり、とても楽しいです｡投稿体調が崩れない程度に頑張ってください (2020年12月23日 15時) (レス) id: 386a561804 (このIDを非表示/違反報告)
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