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「僕は母方のお祖母ちゃんから、淡白でもいい、わくましく育ってくれればと、よく言われていたものだよ」

「わくましくってなんだ」


入れ替わってる入れ替わってる。

オーソドックスをオードソックスっていうみたいな感じ。


「そんなことより」


相川真冬が、元吸血鬼、肌の白い黒髪の少年改め彼方空流から、伊東歌詞太郎に、視線を戻した。


「僕を助けてくださるって、聞いたのですけれど」

「助ける? そりゃ無理だ」


歌詞さんは茶化すような、いつもの口調で言った。


「きみが勝手に一人で助かるだけだよ、お坊っちゃん」

「…………」


おお。

相川の目が半分くらいに細くなった。

あからさまにいぶかしんでいる。


「僕に向かって__同じような台詞を吐いた人が、今まで五人いる。その全員が、詐欺師だった。あなたもその部類なの? 伊東さん」

「はっはー、お坊っちゃん、随分と元気いいねえ。何かいいことでもあったのかい?」


だからなんでお前もそんな挑発するような言い方をするんだ。それが効果的な相手も、たとえば天宮のように、いるのだろうけど、しかし相川に限っては、それはない。

挑発には先制攻撃を以て返すタイプだ。


「ま、まあまあ」


やむなく、私が仲裁に入った。

二人の間に、強引に割り込むようにして。


「余計な真似を。殺すよ」

「…………」


今、この人、ごく普通に殺すって言った。

何故私に火の粉が飛ぶかな。

焼夷弾みたいな男だ。

全く、形容するに暇がない。


「ま、何にせよ」


歌詞さんは対照的に、気楽そうに言った。


「話してくれないと、話は先に進まないかな。僕は読心の類はどうも苦手でね。それ以上に対話ってのが好きなんだ、根がお喋りなもんでね。とはいえ秘密は厳守するから、平気平気」

「…………」

「あ、ああ。まず、私が簡単に説明すると____」

「いいよ、阿良々木さん」


相川が、またも、大枠を語ろうとした私を、遮った。


「自分で、するから」

「相川____」

「自分で、できるから」








そう言った。

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がむしろ(プロフ) - コメント失礼します!とても面白く、原作の化物語の通りに書かれていて、読んでいてとても楽しかったです! (2022年4月13日 23時) (レス) @page1 id: b2402acd1c (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - ヒマリンさん» ヒマリンさんコメントありがとうございます!わざわざこの作品を見つけてくださり、そう言ってもらえて恐悦至極です!これからも原作通りに進められるよう頑張ります!! (2021年8月3日 19時) (レス) id: 75a262f2fa (このIDを非表示/違反報告)
ヒマリン - 本当に化物語の通りでした。 すごいです。 (2021年1月7日 10時) (レス) id: 88fe224ab8 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - うたねこさん» うたねこさん初めまして、感想ありがとうございます!どちらも好きな方がいらっしゃるとは…!? 緩やかですが楽しみにしていただけているのなら光栄です(*'∀`*) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 06fe930ba8 (このIDを非表示/違反報告)
うたねこ(プロフ) - はじめまして!物語シリーズもまふさんも好きなのでめっちゃ嬉しいです。お話もこれからすごく楽しみです! (2020年3月22日 17時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灰猫 | 作成日時:2020年3月20日 4時

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