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月曜日に久しぶりの学校へ行くと、いつもの落ち着きを取り戻した学校に戻っていて、教室へ入ると違和感。

そうだ、席替えをしたんだった。


前の私の席と神宮寺の席には、違う男子2人が座っていて、私は少し寂しくなる。

あの席からもう紫耀は見れないし、
あの席で座りながら神宮寺と喋る事もない。


「Aちゃん〜!席こっちだよ!」


そう言って、自分の隣の席を指差すクラスメイトの女の子の元へ、私はむかった。

その席は廊下から2列目の前から3番目。
なんとなく席が埋まり始めた周りをキョロキョロと見る。

あゆみちゃんが同じ列の1番後ろにいて、神宮寺は窓際の2番目の席。

だいぶ離れてしまったなあ。


隣の子たちとも普通に喋れるんだけれど、今までほどの居心地の良さは無かった。



久しぶりの授業は、だいぶ進んでいて、追いかけるだけで精一杯。
いつもより集中して授業を受けていると、あっという間に授業が終わって気付けば昼休み。
まわりのみんなが一気に立ち上がる。


「え、みんな食堂組?」



「そうなの!」



今までは、神宮寺が食堂からわざわざご飯を持ってきて一緒に食べていたのだけど。
みんなが食堂となると、私が行かなくてはいけない。でも少し面倒…


そう思って悩んでいると、


「A〜」


と名前を呼ばれて。振り返るとあゆみちゃんが、手を振っていて。


「私の周りもみんな居ないから一緒に食べよー!」


と私を手招きする。
すると、みんながよかったよかった、なんて言って教室から出て行く。


「私も居るよ。A」


そう言って笑いかけてくれたあゆみちゃん。
あゆみちゃんのその言葉は、簡略化されていたけれど、その真意は今の私にはわかる。
私は嬉しくなって大きく頷いた。




「宮近くん、神宮寺、借りてもいい?」


帰りのHRのあと、神宮寺と話していた宮近くんにそう問いかけた。


すると、宮近くんはニヤッと笑って、


「ああ!もう、どーぞどーぞ」


と、神宮寺の背中を押す。
神宮寺は、もう覚悟を決めた顔をしていて、


「ここじゃなんだし、一緒に帰ろうか」


と言って、鞄を持って教室を出る。私も慌てて神宮寺を追いかけた。


神宮寺と、特になにを喋るわけでもなく、一緒に校門をくぐる。
何となく入ったのは、駅前のファミレス。
程よくガヤガヤしていて、他の席とは離れたところに座った。



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あきんちょ - めちゃめちゃ良かったです!ぜひぜひ2nd season かいてほしいです! (2019年5月7日 23時) (レス) id: 5f9a7e6066 (このIDを非表示/違反報告)
タロウ - ののさん» コメントありがとうございます!わたしの処女作品から!嬉しいです!拙い文章ではありますが、楽しんでもらえれば幸いです!!作者登録はあまりするつもりはありません…フリーダムにやっていきたいなあ、なんて思っていて…これからもよろしくお願いします。 (2017年11月14日 19時) (レス) id: 9be0b69fd5 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 「世界はそれを愛とよぶ」から拝見しています。タロウさんの作品に出会い、久しぶりに頻繁に占ツクにアクセスするようになりました!差し出がましい申出かとは存じますが、タロウさんは作者登録はなさらないのですか?これからも続き、楽しみにしています! (2017年11月14日 8時) (レス) id: dbdd18e851 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タロウ | 作成日時:2017年11月12日 22時

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