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盛り上がるメインステージを背に、遠ざかるように走る。
観客の声も、司会者の声も聞こえないような人のいない空き教室に入り、席に座ってぼーっと外を眺めた。
校庭は多くの人で賑わっている。
早く終わらないかな、文化祭。そんなことを考えるようになっていた。
文化祭さえ終われば、神宮寺の態度も戻り、いつもの日常に戻るはず。
そんなことを考えていると、タッタッと上履きと床が擦れる音が聞こえてきて、私が振り返ると、そこには紫耀が立っていた。
「なんでこんなとこにおるん？」
よく見ると、紫耀は肩で息をしていて、もしかして走ってここまできたのかな。
紫耀は、私の前の席にガタッと腰掛けて、背もたれに顎を預ける。
「Aは、ジンと付き合ってるん？」
紫耀からのその言葉に私は目を丸くする。私は慌てて首を横に振って、
「付き合ってないよ…」
と否定した。
「でも告白されたんやな？」
と、紫耀が真面目なトーンで言うので、私は
「…まあ」
と、小さく頷いた。
何、この状況。いろいろなことが飲み込めなくて、私の頭はパンク寸前。
紫耀が真面目な顔をして、じっと私を見つめる。
わずかに外の後夜祭の音楽が漏れ聞こえる静かな教室に、私のドキドキという心臓の音が響かないように、と平静を装えば装うほどドキドキの音が大きくなっていく。
紫耀のまっすぐな目が私の目を捉えて離さない。
紫耀が私の前髪に手を伸ばす。私は思わず身体がビクッと反応してしまう。
紫耀はその様子を見て、クスッと笑う。
「遠くに行かんでな？」
妙に色気のあるその切ない声は、私の耳をくすぐった。
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あきんちょ - めちゃめちゃ良かったです！ぜひぜひ2nd season かいてほしいです！ (2019年5月7日 23時) (
レス) id: 5f9a7e6066 (このIDを非表示/違反報告)
タロウ - ののさん» コメントありがとうございます！わたしの処女作品から！嬉しいです！拙い文章ではありますが、楽しんでもらえれば幸いです！！作者登録はあまりするつもりはありません…フリーダムにやっていきたいなあ、なんて思っていて…これからもよろしくお願いします。 (2017年11月14日 19時) (レス) id: 9be0b69fd5 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 「世界はそれを愛とよぶ」から拝見しています。タロウさんの作品に出会い、久しぶりに頻繁に占ツクにアクセスするようになりました！差し出がましい申出かとは存じますが、タロウさんは作者登録はなさらないのですか？これからも続き、楽しみにしています！ (2017年11月14日 8時) (レス) id: dbdd18e851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タロウ | 作成日時：2017年11月12日 22時
