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「先生、すみません。ちょっとだれか手を貸してくれるか！？」
担任の様子に、私たちはすぐにAに何かあったんだって気づく。
私の心臓が嫌に鼓動を速める。そして、神宮寺にチラッと目をやると、明らかに心配そうな顔をしていて。
「神宮寺、行かないの？」
私が小さな声で、神宮寺にそう聞くと、神宮寺は
「俺が行く出番じゃない」
と言った。でも神宮寺をよく見ると、手は強く制服のズボンを握っていて、ああ、彼も本当は心配で、今すぐ駆け出したくてたまらないんだなって分かる。
「はい！私行きます！」
そんな神宮寺の様子を見て、私は立ち上がり手を挙げる。
「すみません、先生、吉岡借りていきます」
私は走って教室を飛び出し、担任の後についていく。
保健の先生も加わって、担任の後をついていくと、目の前にAがうずくまっているのが見えて。
「A！？大丈夫？」
「吉田さん、平気ー？歩けるー？」
Aがコクコクと頷いているのを見て、少しだけ安心した。
そして、保健の先生と2人、Aを保健室のベッドへと運ぶ。
「先生、わたし、どうしてもAが心配だから、ここに居てもいいですか？」
Aの背中をさすりながら、私を教室へ戻そうとする担任に、私はそう頼む。
こんなに感情を爆発させているAを見るのは初めてだったから。
担任も渋々了解を出して、保健室に平静が戻ってから、私はぐちゃぐちゃになった名前の髪を整える。
「A〜」
そう言うと、Aがまた目に涙を溜める。
「神宮寺かっこよかったね？」
私がそう言うと、Aは、大きく頷いた。
よかったね、神宮寺。あなたの想いはしっかり届いていたよ。
「でもダメだったー？平野くんには勝てないー？」
私がそう問いかけると、Aが驚いた顔を見せて、思わず、ようやく顔見えた、と安堵の声を出してしまう。
「なんであゆみちゃん…」
と、目を丸くするA。バレてないと思ってたのかな？
Aって結構分かりやすいのに。私は、そんなAが可愛くて、思わず意地悪をしてしまう。
そのあと、話を進めると、私が思っていたことを、Aはようやく自覚したようで。
ついつい、
「本当、そうだよね」
なんて、今のAに投げかけるには少し残酷にも思えるような言葉を発してしまって。
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あきんちょ - めちゃめちゃ良かったです！ぜひぜひ2nd season かいてほしいです！ (2019年5月7日 23時) (
レス) id: 5f9a7e6066 (このIDを非表示/違反報告)
タロウ - ののさん» コメントありがとうございます！わたしの処女作品から！嬉しいです！拙い文章ではありますが、楽しんでもらえれば幸いです！！作者登録はあまりするつもりはありません…フリーダムにやっていきたいなあ、なんて思っていて…これからもよろしくお願いします。 (2017年11月14日 19時) (レス) id: 9be0b69fd5 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 「世界はそれを愛とよぶ」から拝見しています。タロウさんの作品に出会い、久しぶりに頻繁に占ツクにアクセスするようになりました！差し出がましい申出かとは存じますが、タロウさんは作者登録はなさらないのですか？これからも続き、楽しみにしています！ (2017年11月14日 8時) (レス) id: dbdd18e851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タロウ | 作成日時：2017年11月12日 22時
