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「文化祭まで後1カ月、徐々に準備を進めてって頑張りましょう！」
と、実行委員の子が声を上げると、クラスのみんなが、はーい、と返事を返す。
和やかに順調に全てが決まってよかった。そう安堵しながら、HRも終わって帰りの準備をしていると、文化祭実行委員の子がトコトコと近寄ってきた。
「ねえ、お願いがあるんだけど」
私と神宮寺の席の前に立って、そう言ってきた子に私たちは思わず目を見合わせる。
「神宮寺くん、ミスターコン出てくれないかな？」
あーなるほどね、なんて私は心の中で納得。
「ミスターコン？」
「そう、3年の先輩方もどうしても！って！」
お願い！と、頼み込む実行委員の子に、神宮寺は笑顔で、
「いいよー」
と答えた。そして、ぱあっと顔を明るくした実行委員の子は、視線を私に移す。
なんだろう、衣装かな、なんて身構えていると。
「で、Aちゃんにも協力して欲しいんだけど…」
「…なに？」
恐る恐る聞き返すと、その子は唇を軽く噛みしめた後、
「ミスターコンで、軽い劇をするんだけどね？今回出場者が６人で。だから、2、2、2で別れて三角関係ものをやろうとしてるの」
その説明だけで、なんだか少しだけ嫌な予感がした。
「で、今回2年からの出場は、平野くんと神宮寺くんでね？ほら、両方と仲良しでしょ？2人両方に動じないの、Aちゃんしか居ない……っていうか、平野くんからのお願いらしくて」
「あー、そういうのやるなら、俺もAがいいわ」
「ちょ、2人して何を」
「お願い〜〜！！ミスターコンの成功はAちゃんにかかってるの！！！」
そう言われてしまうと、断るにも断れなくて。
私が嫌な顔をして神宮寺を見ると、神宮寺は笑って、いーじゃん、と言っていて。
「…ん゛〜〜」
私が項垂れて悶える声を出すと、神宮寺が、
「うん、だって」
なんて、適当なことを言う。
すると、実行委員の子は目を輝かせて、ありがとう！！と私の手を握り、走り去ってしまった。
「言ってないんだけど」
「どうせ断れなかっただろ？」
Aは優しいんだから、
そう付け加えた神宮寺に、私は今更、やらない、なんて言うことが出来なくて。
「神宮寺なんて嫌い」
「はいはい、そりゃどーも」
そう言ってばいばーい、と去っていく神宮寺の背中を見送りながら、
変な劇じゃありませんように。
ただ、そう願った。
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あきんちょ - めちゃめちゃ良かったです！ぜひぜひ2nd season かいてほしいです！ (2019年5月7日 23時) (
レス) id: 5f9a7e6066 (このIDを非表示/違反報告)
タロウ - ののさん» コメントありがとうございます！わたしの処女作品から！嬉しいです！拙い文章ではありますが、楽しんでもらえれば幸いです！！作者登録はあまりするつもりはありません…フリーダムにやっていきたいなあ、なんて思っていて…これからもよろしくお願いします。 (2017年11月14日 19時) (レス) id: 9be0b69fd5 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 「世界はそれを愛とよぶ」から拝見しています。タロウさんの作品に出会い、久しぶりに頻繁に占ツクにアクセスするようになりました！差し出がましい申出かとは存じますが、タロウさんは作者登録はなさらないのですか？これからも続き、楽しみにしています！ (2017年11月14日 8時) (レス) id: dbdd18e851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タロウ | 作成日時：2017年11月12日 22時
