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ガクガクと膝が震え、そのまま崩れ落ちそうになる。
キスだけでこんなんになったんは、実は初めてやない。
横山君やヤスの時も崩れ落ちそうになった。
それなのに、まるでこれが初めてのように感じられた。
「ん……」
普通の人なら『可愛い声出して…えっちやね』とか言うてくれるんやけど、すばるさんは漏れた俺の声なんて聞こえてないみたいに、キスを止めて、そのまま腰の方からシャツに手を入れてきた。
今までのお客さんと違う態度をするこの人を俺はすがるように見つめてまう。
生まれたばかりの雛鳥が近くにいる鳥を＿＿たとえそれが本当の親鳥じゃなくても＿＿親だと認識してしまう感覚に似ている気がした。
「大倉、名前」
「え？」
「名前は？」
「…忠義。すばる、さん？」
「ん…大倉忠義、な。……そ、渋谷すばる。」
なんちゅータイミングで名前教え合ってんねん、って思わなくもないけど、すばるさんのフルネームを知れたことが単純に嬉しい。
.
……そう、喜んだのに、すばるさんはその夜1度も俺を名前で呼ぶことはなかった。
大倉、って教師が生徒を名指しする時みたいな冷酷さまでも感じてしまった。
「…金はヒナに払っとくから」
「……ありがとうございました」
腰が痛い俺を労る言葉なんてなく、すばるさんからは、あくまで事務的な言葉が出てきた。
「大倉、……エエ夜やったで」
帰り際、初めてすばるさんは笑顔を見せた。
笑顔と言うにはあまり口角の上がってへん、微笑みに近い表情やったけど。
パタン、と静かに部屋のドアが閉まって、俺はズルズルとうずくまった。
「ずっる……」
あんな下ネタ全開の言葉に胸なんてときめかせたくないのに。
それなのに。
ちょっとだけ目元にシワを作って口角上げた、その表情と発せられた言葉だけで、何だか全てを持っていかれた気がした。
自分の片割れどころじゃなくて、全部。
体も心も…すばるさんは欲しくないだろうけど…全て、すばるさんの物になってもうた感じ。
たった一晩でもう戻れないくらいに、彼のことが好きになってもうた。
その感覚は初めてで、怖くて、苦しくて、でも何だか心地よくて。
だから俺は、すばるさんの薬指で輝いていた銀色の輪っかは見えなかったことにした。
この世には知らんぷりをする方が幸せなことがあるから。
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れいんと。(プロフ) - ヒイM45さん» はじめまして。私も一生、赤緑が担当です。赤緑作品は新作が少なく、更新が途絶えてるものが多いので寂しいですよね😢いつか甘々な赤緑を書きたいと思っています。 (2022年3月27日 8時) (
レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイM45(プロフ) - はじめまして。いつも更新を心待ちにしていた未練タラタラ赤緑強火です。素敵な作品をどうもありがとうございます。完結してしまった喪失感はありますが、また是非是非！貴重な赤緑作品をお願い致します🥺赤緑バンザイ！！そして橙緑も楽しませて頂きます♪ (2022年3月26日 22時) (レス) @page43 id: 0c2aba4953 (このIDを非表示/違反報告)
れいんと。(プロフ) - 羽世さん» ありがとうございます！私も強火すば倉担なんですけど、最近はすば倉担そのものが少なくなってる気がしてるんです〜😭ふっふっふ、ちょっとお待ちくだされ。 (2022年2月19日 16時) (レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
羽世 - んんん！最高です……。すば倉担なのですば倉の新作があって嬉しいです😢 次話からtornの予感もして楽しみです。更新待ってます！！ (2022年2月19日 16時) (レス) id: 5dae2b6d43 (このIDを非表示/違反報告)
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