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「上の下やな」
すばるさんは俺の顔を見るなり、そうフッと馬鹿にしたように笑った。
……上の下って言われるくらいなら中の上の方が良かった気がする。
「…なら…いってらっしゃい」
ツカツカと店を出ていくすばるさんを慌てて追う俺の肩を村上さんがポンッと叩いた。
初めて相手をするお客さんとは店内に設備された部屋でやるルールやのに。
すばるさんとは最初っから外なん？何で？
村上さんの友達ぽかったから特別に、という事なんやろか。
とにかく謎が多すぎる上に怖いすばるさんを追いかける俺の足は震えていた。
緊張してんの？俺。
「大倉、遅い」
すばるさんは背が低いからストライドが短いはずやのに歩くのが速い。
季節がいつだろうと夜の街は冷たくて寒い。
うちの店から割と近い所にあるピンクの建物。
いかにもそういう目的のホテルだと一目で分かる外観の建物は、何度か利用したことがあった所で少し安心した。
「この部屋で」
すばるさんは最低限の言葉しか話さへんらしい。
ルームキー持って、俺の存在なんか忘れてるみたいにスタスタ歩くすばるさん。
足を踏み出す度に彼のクセのない髪がさらりと揺れる。
「……。」
無言で部屋に入って、すばるさんは無言でネクタイを緩めた。
スーツを着たことのない俺にとったらその仕草でさえも大人の男って感じがしてカッコよく見える。
「…何、立ってんねん」
「え…と、」
風呂入った方がエエよな…？
このホテルのバスローブってどこにしまわれとるんやっけ。
焦りながら戸棚を開けようとするとすばるさんはいきなり後ろから抱き締めてきた。
こんなバイトをしていても、唐突に感じる人の温もりで平常心は保てへん。
「遅い」
俺の背中に顔を埋めながら話すせいで、すばるさんが言葉を発する度にびりびりと振動を感じる。
俺の行動速度に対する文句のはずやのに、なぜか甘い意味を含んだ言葉のように聞こえた。
…まるで、待ちきれない、みたいな。
「他の客ん時に風呂入ったやろ？」
「…はい」
こくり、と頷きながら返事をすると
すばるさんは俺の腰に回していた腕をスルリと外して、その動作の流れの中で俺の体の向きをくるりと反対向きにした。
すばるさんと見つめ合う形になって。
この人の、心の底まで見透かされてるような気分になる瞳に捉えられた。
耐えられなくなってふっと目を逸らすと、まるでそれを待ち構えていたかのように、キスをされた。
貪るようなキスに溺れてしまう。
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れいんと。(プロフ) - ヒイM45さん» はじめまして。私も一生、赤緑が担当です。赤緑作品は新作が少なく、更新が途絶えてるものが多いので寂しいですよね😢いつか甘々な赤緑を書きたいと思っています。 (2022年3月27日 8時) (
レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイM45(プロフ) - はじめまして。いつも更新を心待ちにしていた未練タラタラ赤緑強火です。素敵な作品をどうもありがとうございます。完結してしまった喪失感はありますが、また是非是非！貴重な赤緑作品をお願い致します🥺赤緑バンザイ！！そして橙緑も楽しませて頂きます♪ (2022年3月26日 22時) (レス) @page43 id: 0c2aba4953 (このIDを非表示/違反報告)
れいんと。(プロフ) - 羽世さん» ありがとうございます！私も強火すば倉担なんですけど、最近はすば倉担そのものが少なくなってる気がしてるんです〜😭ふっふっふ、ちょっとお待ちくだされ。 (2022年2月19日 16時) (レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
羽世 - んんん！最高です……。すば倉担なのですば倉の新作があって嬉しいです😢 次話からtornの予感もして楽しみです。更新待ってます！！ (2022年2月19日 16時) (レス) id: 5dae2b6d43 (このIDを非表示/違反報告)
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