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「気にせんでエエからな、たつ」


ぽんぽんって俺の今までの労働を労うように、信ちゃんは頭を撫でてくれた。
俺は弱々しくうん、と頷く。

雨が屋根や窓を打つ音がする。
どうやら更に雨が強くなったらしい。

傘を店の傘立てに忘れてったすばる君は大丈夫なんやろうか。
すっかり傷ついてるはずなのに、自分を傷つけた人を心配する。


「でも……まぁ、すばるの言葉にも一理あると思うで」

「え?そんなに俺接客出来てへん?」


信ちゃんの口から出るまさかの言葉にドクン、と心臓が波打つ。

俺が不安そうに見上げると、信ちゃんはそういう意味じゃなくて、と続ける。
その後信ちゃんが紡いだ言葉は俺の心を抉るには充分すぎた。


「たつ、教育学部なんやろ?……教職員になったらここ辞めなアカンし。そろそろ教育実習とかも始まるんちゃう」

「でもっ……公務員の副業規制も緩んできてるしっ」

「まさか たつ、ここの仕事続けようとしとるん?……学校の先生なんてイメージも大事やん。万一副業先がバレたらどうなるか……」


そんなことは信ちゃんにわざわざ言われなくたって分かってる。
今までに何度も自分でその問題に突き当たって、悩んだ。

絶対、このバイトは辞めた方が良い。
その結論に至るのは毎度のこと。

でも割り切れへん。
信ちゃんに辞めるって言い出せへんかったのは、そんなん明白すぎる。

だってここ辞めたらすばる君と会えへんくなる。
すばる君にはプライベートのスマホ教えてるけど……すばる君から電話かかってきたことなんて1度もない。



「でも俺……辞めたくないねん。このバイト」

「……そう思ってもらえんのは嬉しいことなんやけどな。たつ、もうちょっと、自分の将来のこと考えた方がエエで。結論はまだ先でエエから」


どこかで、このままの生活が永遠に続くような気がしてた。
この世に永遠とか絶対なんてもんは存在せえへんけど、そうやって期待することで、自分を守ってた。

俺は信ちゃんの言葉に声を発することができなくて、頷く。


「とにかく、そのずぶ濡れの服着替えてこい」


信ちゃんにシャツとズボンを渡されて、従業員室に行った。
……信ちゃんのズボン俺に合うんかな。
あの人結構細身やけど。



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れいんと。(プロフ) - ヒイM45さん» はじめまして。私も一生、赤緑が担当です。赤緑作品は新作が少なく、更新が途絶えてるものが多いので寂しいですよね😢いつか甘々な赤緑を書きたいと思っています。 (2022年3月27日 8時) (レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイM45(プロフ) - はじめまして。いつも更新を心待ちにしていた未練タラタラ赤緑強火です。素敵な作品をどうもありがとうございます。完結してしまった喪失感はありますが、また是非是非!貴重な赤緑作品をお願い致します🥺赤緑バンザイ!!そして橙緑も楽しませて頂きます♪ (2022年3月26日 22時) (レス) @page43 id: 0c2aba4953 (このIDを非表示/違反報告)
れいんと。(プロフ) - 羽世さん» ありがとうございます!私も強火すば倉担なんですけど、最近はすば倉担そのものが少なくなってる気がしてるんです〜😭ふっふっふ、ちょっとお待ちくだされ。 (2022年2月19日 16時) (レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
羽世 - んんん!最高です……。すば倉担なのですば倉の新作があって嬉しいです😢 次話からtornの予感もして楽しみです。更新待ってます!! (2022年2月19日 16時) (レス) id: 5dae2b6d43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れいんと。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年10月7日 20時

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