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俺の方が背が高いのに傘はすばる君が持つ。
変わるで、って言うてるのにすばる君は断って、自分の肩より上の位置で傘を持った。
相変わらず俺はすばる君と二人きりになると緊張して言葉が出てこなくなる。
歩いてる最中はずっと無言やったけど、傘で跳ねる雨の音のおかげで気まずさが軽減されていた。
「ん、」
と一言だけ発して、すばる君は傘を閉じた。
もう店に着いてもうたんか。
店になんて永遠に着かへんかったらエエのに。
途中からすばる君の傘に入れてもらったとはいえ、最初は傘もなく歩いてたからびしょびしょ。
濡れた俺を見て信ちゃんは、開口一番、アホか！って言った。
店の戸棚から白いタオルを出して、わしゃわしゃと犬を拭くみたいに俺を拭いてくれる。
タオルはふわふわで、流行ってる柔軟剤の香りがした。
「すばるも肩濡れとるやんけ！」
「大したことあらへん」
「お前が風邪引いたら妙子に怒られるわ！！」
信ちゃんは唾が飛ぶような勢いで話し、すばる君にもタオルを渡した。
……妙子って誰やろう。
すばる君の奥さん？
信ちゃんはすばる君の奥さんに会ったことあるんやろうか。
やとしたら何で風俗店通ってること咎めへんねん。
っていうか何ですばる君はあそこにおったんやろう。
家が近く？そしたら奥さんもあの周辺にいたってこと？
1度考えがその方向に向くと簡単には止められへんかった。
たくさん湧いてくる疑問符の答えには、毎回、“奥さん”に行き着いた。
「で？すばるはしてくん？」
大倉は空いてるけど、って信ちゃん。
すばる君はチラッと俺を流し目で見て、タオルを信ちゃんに返した。
「いや……今日はやめとく」
すばる君の流し目は冷たい。
まるで軽蔑してるような温度のない瞳をしている。
このままもしかして……と小さく期待してた俺は少し傷つく。
「やって大倉、今やってきたばっかやもん」
「え！！」
何で知ってんの。
何で、俺がマルちゃんとしたって知ってんの。
俺が驚いた声を上げると、すばる君は、ハッと短く笑う。
そして温度のない目で、温度のない声で言った。
「やってお前、“してきた顔”してるし」
俺はぺたぺたと手のひらで頬を覆った。
そんな顔してへんし。
「……大倉はこの仕事向いてへんと思うで、ヒナ」
すばる君はそう言って店を出る。
俺はすばる君の言葉にただ傷つきながら、すばる君が忘れてったビニール傘を眺めることしか出来ひんかった。
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れいんと。(プロフ) - ヒイM45さん» はじめまして。私も一生、赤緑が担当です。赤緑作品は新作が少なく、更新が途絶えてるものが多いので寂しいですよね😢いつか甘々な赤緑を書きたいと思っています。 (2022年3月27日 8時) (
レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイM45(プロフ) - はじめまして。いつも更新を心待ちにしていた未練タラタラ赤緑強火です。素敵な作品をどうもありがとうございます。完結してしまった喪失感はありますが、また是非是非！貴重な赤緑作品をお願い致します🥺赤緑バンザイ！！そして橙緑も楽しませて頂きます♪ (2022年3月26日 22時) (レス) @page43 id: 0c2aba4953 (このIDを非表示/違反報告)
れいんと。(プロフ) - 羽世さん» ありがとうございます！私も強火すば倉担なんですけど、最近はすば倉担そのものが少なくなってる気がしてるんです〜😭ふっふっふ、ちょっとお待ちくだされ。 (2022年2月19日 16時) (レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
羽世 - んんん！最高です……。すば倉担なのですば倉の新作があって嬉しいです😢 次話からtornの予感もして楽しみです。更新待ってます！！ (2022年2月19日 16時) (レス) id: 5dae2b6d43 (このIDを非表示/違反報告)
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