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「じゃあ」
「送ってくで」
ううん、いい、って俺は首を横に振った。
俺とマルちゃんが重ねるのは大抵昼間やから、泊まらずに帰ることが多い。
たまに夜にする時もあるけど、毎回俺は泊まらへん。
たぶん友達としてるって後ろめたさが出てるんやと思う。
でも腰痛いんちゃう？って心配そうな顔するマルちゃんを安心させるように俺は、大丈夫やからと笑ってみせた。
「また、明日」
「ん……」
また、明日。
子供なら何の躊躇いもなく出てくる別れの言葉。
大人になるにつれて段々その言葉は耳にしなくなる。
きっとその言葉は祈りに近くなるから。
明日会えないと分かっていても。
明日会えるか分からなくても。
例えそれが最後の別れの言葉だとしても。
俺はきっと、また明日って言う。
外はしとしとと温かい雨が降っていた。
もちろん傘なんて持ってへんけど気にならなかった。
暗くのしかかるような灰色の雲。
柔らかな針のような雫。
それは俺を包んでるみたいやった。
「強なってきたやん」
1人で呟いた言葉は強くなってきた雨音にかき消される。
柔らかい針のようやった雨は冷たく、氷の破片のように感じられた。
髪の毛、肩、全て濡れていく。冷えていく。
だけどコンビニで傘買おうとか、駅で雨宿りしようって考えには至らなかった。
ザーザーと砂嵐みたいな音が耳に響く。
こんなに天気が急変するんやったらマルちゃんの家行かんかったら良かったなぁ。
このまま、コンクリートに溶けてしまうのもアリかもしれへん。
雨と一緒に流されてしまいたい。
「何してんねん」
フッと雨が止んだ。
違う、誰かが俺に傘をさした。
俺は俯いてた顔をゆっくりと上げる。
「すばる君」
すばる君の薬指にある銀の輪は雨に濡れて輝いていた。
それを視界に入れたくなくて俺は再び俯く。
「こんな雨ん中傘ささへんアホがおるか」
「持ってへんかったから」
「雨宿りせえ。……行くで」
「どこに」
「店まで送ったる」
「え……」
「今日、シフト6時からやろ」
遅れたらあの八重歯怒るからはよ行くで、ってすばる君は歩き出す。
俺は置いてかれないようについていく。
「何で？」
「何がや」
「何で俺のシフト知っとるん？」
シフトは俺に聞かへんと知れへんはずやのに。
ヤスや横山君にならよく聞かれるけどすばる君に聞かれたことは1回もない。
「ヒナに聞いた」
「俺に直接聞いてくれればエエのに」
すばる君はそれには何も答えずに雨の中を歩いた。
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れいんと。(プロフ) - ヒイM45さん» はじめまして。私も一生、赤緑が担当です。赤緑作品は新作が少なく、更新が途絶えてるものが多いので寂しいですよね😢いつか甘々な赤緑を書きたいと思っています。 (2022年3月27日 8時) (
レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイM45(プロフ) - はじめまして。いつも更新を心待ちにしていた未練タラタラ赤緑強火です。素敵な作品をどうもありがとうございます。完結してしまった喪失感はありますが、また是非是非！貴重な赤緑作品をお願い致します🥺赤緑バンザイ！！そして橙緑も楽しませて頂きます♪ (2022年3月26日 22時) (レス) @page43 id: 0c2aba4953 (このIDを非表示/違反報告)
れいんと。(プロフ) - 羽世さん» ありがとうございます！私も強火すば倉担なんですけど、最近はすば倉担そのものが少なくなってる気がしてるんです〜😭ふっふっふ、ちょっとお待ちくだされ。 (2022年2月19日 16時) (レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
羽世 - んんん！最高です……。すば倉担なのですば倉の新作があって嬉しいです😢 次話からtornの予感もして楽しみです。更新待ってます！！ (2022年2月19日 16時) (レス) id: 5dae2b6d43 (このIDを非表示/違反報告)
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