5 ページ5
抜け駆けを禁止……
烏龍茶を美味しくなさそうに啜る亮ちゃんを眺めながら、心の中で反芻した。
キャー！ってアホみたいに騒いでるだけかと思ったら、意外と考えてんねや。
裏がある…とまではいかへんけど、何だか知りたくなかった事を知ってしまった気がする。
「あー、禁止ってちょい言葉強かったかも。なんか、仲間意識高めてお互いを牽制しあってる、ってゆーか」
ゆーか、と音を伸ばして発音する亮ちゃんは
烏龍茶に変えるんが遅かったらしい、だいぶ酔っている。
「女の子達がそれに気付いてファンクラブ作ってんのかは知らんけどな」
大倉ァ、ビール〜〜！
亮ちゃんが空になった烏龍茶が入ってたコップを俺に見せつけてくる。
……そろそろお開きやな。
何で明日も仕事やのにそんなベロベロなるまで飲むねん。
と心の中で文句を溢しながら、店員さんを呼んでお会計してもらう。
フン、次は亮ちゃんの奢りやからね！
瞼が閉じかかってる亮ちゃんの分も俺が払う。
給料日前やのに〜！痛い支出。
「ほーら、亮ちゃん帰るで」
赤ん坊をあやすみたいに亮ちゃんに話しかけて、タクシーに乗り込ませる。
運転手さんに亮ちゃんの住所を伝えて代金渡して、俺はそのまま徒歩で帰宅。
亮ちゃんの家まで送ってあげる程、俺は優しくないねん。
明日タクシーの代金貰お。
街灯と月に照らされる夜道をのんびり歩く。
日中は暑くなってきたと言えど、まだ５月。
日が沈めば冷たい空気に辺りが包まれる。
「へーっくしゅ」
……もうスギ花粉は終わったんちゃうん？
痒くなってきた鼻を擦りながら、冷たい空気に当たると熱かった頬が冷めて酔いが抜けていく。
明日は金曜日。
マルちゃんにバーに連れてってもらう日。
バーなんて行ったことないけど、きっとすごく大人の雰囲気なんやろ？
…そんな雰囲気でのマルちゃんを見れるのが嬉しくて。
何より、誘ってくれたのが嬉しくて。
もちろん、マルちゃん側は全く俺の事なんか意識してないんやけど、淡い期待なんかも抱いたりして。
……エエやんね、期待するぐらい。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいんと。(プロフ) - つらきさん» コメントありがとうございます！更新速度が遅くて申し訳ない…。んー、どうでしょ。その辺りにも触れていきたいと思っています笑 (2021年10月3日 9時) (
レス) id: e2762dc7c7 (このIDを非表示/違反報告)
つらき(プロフ) - 大量更新ありがとうございます〜！！これからの展開が楽しみです。青さんが何を考えてるのか全然わからない笑 橙さんは少し緑のことが好きだったのかな、だから出勤してきたのかな、と考えを巡らせてます。更新頑張ってください！ (2021年9月27日 11時) (レス) id: 5dae2b6d43 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
