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死柄木の乾いた手が、水面から顔を出している梅雨ちゃんの頭を掴んだ、と同時に彼女が崩れる幻覚が見えた。
ダメだ、それだけは。
私が梅雨ちゃんを転移させたのと、相澤先生が死柄木の個性を消したのはほぼ同時だった。
死「へえ、やるね。イレーザーも、お前も。やっぱり個性は、瞬間移動かな」
痛みでほぼ上がらない頭にはっきり届いた。
死「脳無、あの二人を殺せ」
先生を掴んで横に伏せたのは勘だったが、正解だった。当たらなかったにもかかわらず風圧だけで頰に痛みが走った。
後ろにあった壁が粉砕され、二度目の拳が振り上げられた。これは流石に避けることはできない。
考えるよりも早く個性を使っていた。
天井付近に転移させたのは、せめて少しでもダメージを与えようとしたのか。どちらにせよダメージもクソもなかったようだが。それを確認するとともに激しい頭痛に襲われて耐えきれず膝をついて胃の中のものを戻した。
『げほっ、は、は、あ、も、個性は使えねえな』
前のめりに地面に倒れると思ったら、誰かに支えられた。
オ「もう大丈夫。____私が来た」
***
何してるんだオールマイト。
貴方はここにいちゃいけないのに。
一人だけじゃ脳無に敵わないのに。
言いたいことはたくさんあるのに、口が動くだけで声が出なかった。涙が溢れた。
オ「怖かったな。だが、もう安心だ」
そうか、私は怖かったのか。やばいやつと戦ったんだもんな。
オ「君たち、移動少女と相澤くんを頼んだ」
私と相澤先生を緑谷たちに預け、オールマイトは背を向けた。広くて、人を安心させる背中だ。
反対に、彼がもう限界ギリギリで無理をしていることを知っている。ダメなんだ。戦っちゃ。
蛙「ケロ、移動ちゃん、掴まって」
『大丈夫、自分で歩ける』
梅雨ちゃんの助けを断り、ふらつく足に力を入れて立った。助けないといけない。
『むしろ、相澤先生をお願い、私はオールマイトの方へ行く』
緑「移動さん!僕もいく!」
『緑谷は指折れてるんだろ、だから…あーもー分かったから来い!』
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ヒロアカ って展開エグいくらい早い。
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率(プロフ) - とむらさん» 確かに…原作で大事になってきそうですね…今まで戦闘訓練も二人組にしてたけど三人組にすればいい話ですね!すみません、次回から青山くん編入させます!ほんとコロコロ変えてしまって申し訳ない… (2018年10月15日 2時) (レス) id: 50d8353751 (このIDを非表示/違反報告)
とむら(プロフ) - 青山居ないって大丈夫ですか?原作の方で意外と重要な気もするのですが……もしそれも踏まえてB組にしたのならすみません。 (2018年10月14日 21時) (レス) id: fe1253ce58 (このIDを非表示/違反報告)
率(プロフ) - †NANA†さん» 本当だ…ご指摘ありがとうございます!恥ずかしいミスをしておりました… (2018年10月12日 17時) (レス) id: 50d8353751 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ6で、「上から四番目」ではなく「上から三番目」だと思います。 (2018年10月12日 16時) (レス) id: 288d462176 (このIDを非表示/違反報告)
率(プロフ) - 琥珀さん» 青山君は人数的な事情でいません。ごめんなさい…彼はB組に行ったんです。多分夢主ちゃん体育祭の組み合わせや期末の試験も青山君のポジションになるかと… (2018年9月22日 6時) (レス) id: 50d8353751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:率です | 作成日時:2018年9月1日 18時