さん ページ4
下に降りるとは、つまり地面に降りるということだ。
そんなわかりきったことだが、私はもう一度ここが木の幹の上だということに気づき、つい下を見てしまった。
『ひっ』
あの足の覚束なさを思い出し、私は隣にいた彼女のこと袖をつかんだ。体は震えるし(そういえば服を着ていなかった)あの感覚を思い出すだけで一歩も動けそうにない。ただでさえ高いところは苦手だというのに。
袖をつかんで震える私を見て、彼女は半分笑って半分混乱といった表情を浮かべた。
「ミヤ？どうしたの？どっか痛いの？ほんと、さっきから変だよ？いってくれないとわかんないよ。」
『...高いところが...怖い』
言っては見たものの、彼女はますます混乱した。
「あれ〜？生まれた時ってこんなに高いところを怖がるもんだっけ？私はそんなに生まれてくる時居合わせたわけじゃないからわかんないなぁ。とりあえず、みんなに聞いて見ないと...」
そう言って私を見た。
「仕方がない。あのミヤだがしようがないもんね」
彼女は私の体を持ち上げて後ろに担ぎ、絶妙なバランスをとって幹の上を歩いていった。
私といえば、下を見ないよう目をつぶり、落ちないよう彼女の背中にしがみついていることしかできなかった。
彼女は器用に片手だけ使って降りていったようだ。
ものの10分もしないうちに、彼女と私は地面に降り立った。
「はい、降りれたよ。ここからは歩けるよね？」
といってまだしがみついている私を引き剥がして地面に立たせた。踏みしめる地面があることに安堵しつつも、私は尻餅をついた。
『...腰が抜けました。』
呆れる彼女をよそに、まだ震えが取れない手足を見やった。そこで初めて私は気がついた。
『手が小さい。』
足も短いし胴も短いし、尻餅をついている私と、立っている彼女の目線が異様に遠い。
「当たり前でしょ。普通は二歳前後だけど今のミヤは四歳くらいじゃない？」
ん？私はもう卒業を間近にした女子高生だぞ？それにさっきから私のことをミヤって呼んでいる。誰かと勘違いしているのか？
地上に降りて初めてまともに思考ができるようになった。
『さっきからずっとミヤって呼んでるけど私はミヤじゃないよ。というか、ここはいったいどこで、私に何が起こってるの？あとあなたは誰？』
「...ミヤ本気？いつもの冗談じゃなくて？」
『だからミヤじゃないよ』
一瞬戸惑うそぶりを見せたが、彼女は決心したように私を抱えて、どこかに向かってものすごい速さで走り始めた。
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率(プロフ) - いずたろすさん» 読んでくれてありがとうございます！主人公は木から生まれた人みたいな感じですね。私はあんまりあらすじを書く才能がなかったみたいで、多分続編のあらすじもこういう感じだと思います^ ^ (2018年7月21日 18時) (
レス) id: 1fe256fb16 (このIDを非表示/違反報告)
いずたろす(プロフ) - すごく面白いです！主人公が植物人間ってどういうことだろう！？と思って見てみたのですが見事にこの作品にどハマりしてしまいました…(*'ω'*) これからも頑張ってください！ (2018年7月21日 17時) (レス) id: e17f26d915 (このIDを非表示/違反報告)
率(プロフ) - イリアさん» 今動画を見て確認しました。仰る通りでした。七武海を登場させるためにポンポン開いてました。他の方の作品を読んで、本部で開くものだと勘違いしていました。今から修正は無理だと思ったので、読み流してくれるとありがたいです。今度からはちゃんと調べるようにします (2018年7月21日 17時) (レス) id: 1fe256fb16 (このIDを非表示/違反報告)
イリア(プロフ) - 七武海会議は世界政府管理でマリージョアで開かれるとてつもなく重要なことを決める為の元帥、大将、中将が集まるめちゃくちゃやばい会議なんですよ！ (2018年7月21日 17時) (レス) id: 9be3e906ec (このIDを非表示/違反報告)
率(プロフ) - はわわ、ありがとうございます。エピソードごとに別の人が書いたみたいになってしまう作品ですがみていただけて凄く光栄です！頑張りますm(__)m (2018年7月18日 18時) (レス) id: 1fe256fb16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：率です | 作成日時：2018年7月3日 13時
