にひゃくにじゅうご ページ44
埒が開かなかった。
いっそ四時ポケに閉じ込めるか、と考えながら攻撃を当てようとした時、小石につまづいてその拍子に足をビームで撃ち抜かれた。
『っ、!?、いって、』
血はほとんど出なかったが、ど真ん中を撃ち抜かれ、痛みで左足はもう動きそうに無い。つまり……?
ゾ「っ!!なにやってやがる!」
もう一発ビームがきそうになったところ、ゾロが抱えて避けてくれた。が、私は足がなければ戦えない。悪くなっていく戦況に追い打ちをかけるようにくまが言う。
く「その船長とやらは、そんなに命をかけてまで価値のある人間か?その船長さえ差し出せば他は見逃してやると言ったはずだ」
ゾ「……どうしてもルフィの首を取っていくのか……!?」
く「……それが最大の譲歩だ」
この流れは確実にまずい。ゾロが私とルフィを交互に見比べていた。だめだ。こいつ死ぬ気だ。
ゾ「わかった。首はやるよ。……ただし身代わりの…このおれの命一つで!!勘弁して貰いてぇ!!!」
ゾロは足を折り頭を下げた。
「まだたいして名のある首とは言えねぇが…やがて世界一の剣豪になる男の首と思えば、取って不足はねぇ筈だ!!」
『っ!だめだ!!!』
ゾロが驚いて振り返った。くまは相変わらず静止したまま、こちらを伺っている。
『私がどんな思いで、ワンピースの居場所差し出してまでこのくま野郎を止めようとしたと思ってんだ!お前アホか!こんな奴片手で十分だろ!!なんでゾロが死ぬんだよ!』
私は動かない足を引きずりながら、それこそゾロに掴みかかろうとした。くまから見たら滑稽だっただろう。相変わらず無機質な声だが、くまが言った。
く「なら、お前が死ぬか、預言者」
はた、と私は立ち止まった。
く「麦わらの賞金はその強さが危険だからだ。しかしお前は、その存在自体でこの時代が変わる。世界政府が喉から手が出るほど欲しい存在だ。貴様が世界政府に投降すると言うなら、一海賊など見逃してやってもいい」
は、と口が言葉を発さずに喉が音だけを出した。それはまるで、ロビンの時と同じだ。私が投降すれば、みんな助かる。ゾロは怪我しないし、原作にこれ以上関わることもない。
でも、正直、いやだ、ロビンと一緒に助けてもらった時、本当の仲間になったのに、今更やっぱやめたでまた抜けるなんて、
いやだ、と思ってしまった。
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不在証明(プロフ) - 一気読みしました!とても面白かったです!ついにシャボンディ編ですね!その後のお話も好きなエピソードなので更新楽しみにしています頑張ってください! (2021年10月9日 1時) (レス) id: 0bad24017f (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - 久々に見にきたら更新されてて嬉しいです。楽しみにしています! (2019年5月7日 18時) (レス) id: e1b44d4df8 (このIDを非表示/違反報告)
ホタル - おぉ!しばらく見ない間に更新されてる...!いつも応援してます。個人的には2年の空白の間で夢主ちゃんが何をするのかがすごく楽しみです! (2019年5月1日 3時) (レス) id: 6fae34f835 (このIDを非表示/違反報告)
歌恋 - とっても面白いです!更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年2月18日 18時) (レス) id: bd711dd19d (このIDを非表示/違反報告)
ちきん - 200話突破、おめでとうございます!いつも更新を楽しみにしています!これからも頑張ってください!応援してます! (2018年11月29日 20時) (レス) id: eca632b0ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:率です | 作成日時:2018年11月3日 8時